第15話
★◇◇◇◇◇
「何で通じないの?」
「さあ?」
「さあって。」
「異世界で大層な修行をされたご様子ですね。
これも、私どもが勇さんを巻き込んでしまった結果ですね。
異世界での生活は血にまみれてとても辛かったでしょう。
心苦しいとは思いますが、異世界での生活をリンゴたちに教えてやってくれはしませんか。」
「俺は戦場には居なかったから、詳しくは知らないよ。」
人型と戦ったのはほとんどない。
それに殺しをしたのは食うため以外にはしてないから特に気にするようなことはしてない。
活殺を目指して銭湯をしていたのは事実、日本人としての心が直向きに人を殺したくない、おこちゃまな精神が通っている。
「強くなりたきゃ何をすればいいかなんて俺にはわからないしね。
それで今日を俺をここに呼んだ理由を聞きたいんだけど、いいかな?」
「お茶も出していないのにお話しするのは気が引けますが、本題に入りますね。
私たちは、幽世から来る使者を追い返すために戦っております。
あなたにはそれを手伝って欲しいのです。」
聞くところによると現世に来る彼らを追い返せばこの世界に住んでも良いとの契約を結んだ異世界からの住民が戦っているらしい。
異世界で平穏を求めるためにやってきた彼らからすれば当時は雑魚同然だったが、年々、血が薄くなり弱体化が否めない。
また、雄馬が莫大な魔力を持っていたせいで餌が豊富だと判断した協力な使者が寄ってきて戦力不足に陥っているのだそう。
それで現地民でもある神崎一族が出張る必要があった。
元々、莫大な魔力を持つ人間が稀に生まれるらしくそれを異世界に送ることで均衡を保っていたらしい。
「雄馬が魅了眼を持っていた余りに私が不覚を取り高校生まで、異世界に送ることを躊躇ってしまった。
それに、あなたを巻き込んでしまったこと、それが我々の誤算です。」
「何となくわかったけど。幽世の使者が来てこっちになんか不都合があるの?」
問題はソレ。何かしらの不利益になることがあるのなら、自衛という形で協力はするがそれ以上の干渉はしない。
「不都合といたしましては街が崩壊する可能性があるということです。
彼らは、元は現世の人間、幽世にまで来る者たちは現世の英雄と呼ばれた者たちばかりです。
彼らは生きた人間の器を求めてさまよい乗っ取ろうとが策士するものが大半。
戦人がこの世界に顕現すれば、それだけ被害が大きくなるでしょう。」
理屈は通ってるけど、やだなぁ。
「あからさまに嫌そうな顔をするのはどうか思うわよ。」
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