第14話

★◇◇◇◇

「特に問題は無いわよ。

 遅かれ早かれ、ルルさんにも決断をしてもらう必要があったからね。


「私は何も聞いていないんですけど。」


「今からお話ししますから、居間に着て頂戴。」


居間(リビングルーム)に案内されると雄馬の姉と妹も居た。

姉のほうは非常に珍しいアース目(角度や光の当たり具合によって瞳の色が変わる目のこと)に生来の茶髪という日本女子なら誰もがうらやむ容姿をした女性。

胸部はCよりのDの形の良い女性体形。


妹のほうは青い目をしていて金髪という帰国子女のような守ってあげたくなるタイプの女性である。


こうしてみるとルルさんが見劣りするよね。

ルルさんは曇った黒髪をしていて灰色というのがぴったりで赤い目をしていることから人狼であると言われれば100%信じて疑わない容姿をしている

アルビノのなりかけのような容姿は、美少女の顔さえなければ奇異の目で見られることは必須だったろう。


「それで、あなたはいったい誰なんですか?

 ルルさんから聞いた話だと異世界出身の血筋は彼女だけのように思えますが。

 それとも俺の居た異世界とは別の世界線の出身とか言いませんよね。」


「私は純粋な地球人よ。

 あなたの思ってるようなパラレルワールド理論からなるほかの異世界の住民はまだ観測はできていないから安心なさいな。

 あと自己變介が遅れたわね。

 私は神崎變見(カンザキヘンミ)、変な名前で髪も金髪だけどひいおばあちゃんが高緯度地域の出身の人なの。」


にっこり笑うだけでそれ以上の招待に関しては話さないか。

ひっかっかる物言いだけど自分で探せってことね。


それと面識のない二人がこちらに向かって頭を下げた。


「「あのバカから救ってくれてありがとうございます。」」


「二人の事情は詳しくは聞いていないけど、そんなにいやだったの?」


仲良し兄弟姉妹として評判だったのにそこまで仲が良くなかったのだろうか?

理想の現実は砕かれる。

仮面夫婦が理想の夫婦とか呼ばれたりするのと一緒か。


心底嫌そうにする彼女らを見れば、それだけ本当のことなんだと実感させられた。


「他によってたかってた女性たちはどうだったんだ?」


「他の女性?

 ああ、魅了されてた子たちね。

 アレは術が解けて冷めたってところよ。」


「私たちをあの犯罪者から救ってくれてありがとう!

 私は神崎真理(カンザキマリ)、よろしくね。」


ぷるん。


こ、これがミスコンのくちびる。

なんて形が整っているんだ。


「おねえちゃん、それ、色目使ってる風に見られてるよ。」


「え?

 ごめんなさい。

 勘違いさせちゃったわね。」


こ、これが童貞キラーか。


「血の涙流してるところ見るとちょっと引くね。

 恩人だけど減点だよ。

 私は神崎林檎(カンザキリンゴ)、よろしく。」


スッと右手を差し出してきたので掴む。


「うん。合気道でもやってるのかな。」


一瞬体が沈みかかれと命令されていたので正しい姿勢に戻してやった。

身体強化を得る過程で得た身体構造の理解度からできる合気返しなるモノを行使してみた。

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