第6話

◇◇◇◇◇◇

「あら、勉強してたの?

 てっきりマンガでも呼んでるのかと思ったわ。

 病院でも勉強ばっかりで、帰ってきてから真面目になったわね。」


「真面目って言うか、日常の大切さを知っただけだよ。」


そうして深夜を過ごしていると、魔力を感じた。

人間ではない力を感じ取っていた。


「獣人か。」


部屋の中に何者かが侵入したことを悟る。

そしてその正体も感づいた。


獣人は身体強化魔法に近しい野生の魔法を持っていたのでよく覚えている。

あくまで人間の形をした野生動物がピッタリと的に得ている奴らだ。

ただし、彼らの使う魔法はエネルギー消費が激しく、栄養失調になったり、身体の熱が放出しきれずに亡くなることもある危険な魔法。


彼らの魔法は人間兵器と呼ばれ、戦争でも勝機が厳しい時の決死隊などで使われた。

俺が身体強化魔法を発明するとリスクは無くなった。

現代で獣人にお目にかかるとは思っても居なかったがこの気配は間違いなく獣人だった。


「えっと家の中に入るってことは不法侵入について知らないのかな。」


ビク!

モフモフのしっぽが枕から姿を現した。


「イヌ科の獣人か。」


銀色のモフモフしたしっぽがビシッと直立し、枕が美少女になった。

クラスの雄馬の幼馴染、夜月 月瑠(ルル)彼女に犬耳としっぽを取ってつけたような姿。

尚ルルはハーフっていう設定で銀髪で巨乳です。

身長は175とそこそこあります。

っていうか170の俺よりもデカいし。

目線は俺よりも高い。


「勇くん、私が人狼だって気づいていたんですか?」


人狼、狼系の獣人とは未だに会ったことが無かったな。

居たのかどうかも不明だけど。


「いや、魔力を感じられるようになったのもここ最近のことで知らなかったよ。」


まあ、視た瞬間なんかあるだろうなあとは思ったけど。

この人毛色が違うなと思う。


「魔力に目覚めたのが最近?

 今まで未来視をしていたのに気が付かなかったの?」


「未来視?

 ああ、偶に見る夢のこと?」


未来視っていうよりかは、無数のパラレルワールドの在り方を見ている感覚なんだよね。

未来視って言うのは存在する。

アニメやテレビではなく現実で起こりえることだ。


その時に魔力を使っていたのかと思うと異世界でもスムーズに動かせていたわけだと納得せざる得ない。


「夢って言う形でアレだけの魔力を消費していたのね。

 無自覚だから監視していた私たちにも今まで気づかないわけだわ。

 それに、雄馬の影響を受けていたかと思ったけど、その様子だと違うみたいね。」


「で、なんの用?」


※◇◇◇◇◇※

俗語解説

作者の思う未来視の原理

共感作用などの色と音、匂い五感を全て合わせることによって夢という不可解で曖昧な状態で明確な景色を見ることができる。

また、未来の範囲は数年から数十年先まで幅が広い。

どれが本物かどうかは、実際に見るまで解らないので回避できるかは不明。

順序もバラバラなため、絵などに残すことをしなければ証明不可。

俗に言う高度な予想設計が未来視、予知夢の正体と見受けられる。

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