実は。

「そうだったの…」

「でも、よかったじゃないか…」

 何故か残念がる母と、嬉しそうな父には申し訳なく思い、俯いてしまった…。

「今日、来るんだよね…」

 俯いたまま言ったので、二人が今、どんな顔をしているのかわからないけど。

「じゃあ、お母さん。早速、お買い物に行ってくるわっ」

「俺も、行こうか…?」

「うーん…。荷物も多くなりそうだし頼めるかしら…?」

「いいよ」

 こんないい見本がいるのに、何故、私にはよき伴侶がいないのだろうか…。

 いなくても、生きてこられたから…。

 両親の後ろ姿を見ながら、深い溜め息が出てしまった…。

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