連行
「お疲れ様でした…」
「
呼び止められたので、少し立ち止まったら。
「いい子だね」
「え…?」
消えた?!
「ごめん…」
耳元でそう囁いた
「じゃあ、今から修羅場へ向かいましょうかっ」
はい…?
「モモからホシノくんを奪いに行きますよっ」
何か楽しげに言う林檎さんは鼻歌を歌いながら、私が今、行きたくない気持ちなどお見通しなのだろう…。
「ちょ…」
前が見えないまま、移動は嫌ですっ!
必死の抵抗をしながら、頭に浮かんだのは後東さんだった…。
「た、す…けて……」
頼れる存在だから、ね…。
「誰に、言っているのかな…?」
後東さんがいきなり離してくれたので、私の視界は眩しくて見えない…。明る過ぎる…。
「はい。お手をどうぞ…」
歩きづらい私の手を掴んで、後東さんは指を絡ませる。
「これなら大丈夫…」
手を振り払っても、どうやら握り方を変える気はなさそう…。
「逃げませんから、普通に手を繋いでください…」
立ち止まって後東さんに向かって訴えたら、
「河崎ったら、積極的…」
耳元で囁いて、指を動かす。指は動かしただけで、握り直さなかった…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます