ご招待

「お疲れ様でした…」

 久々に、定時で帰れる…。

「お疲れ様…」

 書類仕事に集中しているのに後東ごとうさんは、

河崎かわさきの携帯、じゃない…?」

 確かに、私の携帯端末が唸ってますね…。

「じゃあ、お先です…」

 事務所から外に出てすぐにカバンから取り出す。

『今夜、一緒に飲みませんか?』

 こうちゃんから、だ…。

「男から?」

 携帯端末をカバンに戻そうとしたが、その手は自由にしてくれない…。真っ黒な画面には、後東さんの笑顔が映る。

「そうですよ…」

 そう言ったら、呆気なく解放された…。

「お盛んなことで…」

 耳元で囁いた後東さんは、顔も合わせずに事務所へ戻って行った…。

「何なの…?」

 思わず、呟いてしまった…。

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