第16話 勢揃い〜転校先は不良(ヤンキー)校!?

「行くぞ!南波」


「はい…あの…その前にすみません。奥に妹が寝てますので、アイツが起きたら学校には必ず行けよ!と伝えておいて下さい。それまで、見張りをお願いしていいですか?何かあったらいけないんで…」


「分かった。他の見張りをおいておく」


「お願いします」



「しかし…お前…変わったか?」


「えっ?」


「何か…雰囲気が…」


「気のせいですよ」





そして―――




目を覚ますと、そばにいたはずの南波さんの姿はなかった。




「…南波…さん…」




そばにはメモがあった。



『希美へ』



お前が目を覚ますと俺はいないと思う。


変な輩が来ないように警察の野郎を見張り見張りにつけておいた。


アイツらには報告しておくから一緒に学校に行け。


後、しばらく一人で行動するのは控えた方が良い。


王女様と名乗る、くそガキ眠り姫。






「クスクス…くそガキは余計だし」





『後、お前の事は警察に妹と伝えてあるから、そうしとけ。いいな』





「分かったよ…お兄ちゃん」




私はメモを手に部屋を出る。


出てすぐに警察がいた。


それから、所々にも警察がいた。




「………………」



一人一人に軽く、お辞儀をし外に出る。




遠くには見覚えのある3人が待機していた。


いつものメンバーだ。


蒼介と勇真はジャンケンして何かをしている。


アッチ向いてホイ!だ。




「クスクス…」



私は3人の元へと行く。



「おはよう」


「おはよう。希美ちゃん」と、優人君。


「どうだ?女になった感想は?」




蒼介がストレートに聞いてきた。


バシッ


勇真君に打たれる。




「いってーな!」

「ストレートすぎだよ~」

「…してないよ…」

「えっ!?」

「キス以上はしていない」



「だとよ?勇真」

「良かったね~。勇ちゃん」



「………………」



「色気なかったからなんちゃうん?」

「そうかもね!」



「……………」



「お前ら喧嘩中みたいな対応よせよな」


「そうそう」


「喧嘩してへん!」




「………………」




「おい!お前ら!」


「真都さん」


「了がいない間、変な輩には気を付けて行動しな。目を付けられていないとは思うけど」


「分かりました」


「特に、彼女。タチの悪い奴等に拉致られてるからな。単独行動は辞めといた方が良い。了が、一番心配していたから。彼女を頼んだぞ」


「分かりました」



「じゃあな!」




私達は別れた。



「さあ、行こうぜ!」



蒼介の一言で学校に向かう。



「希美、お前どうしてアイツと一緒にいたんだ?」


「自分が危険な目に遭うって分かってたんでしょ〜?」


「うん…だけど、良い人だと思うよ」


「脱獄犯だぞ!」


「俺達の知らない南波さんを希美ちゃんは知ってるんだよ〜」


「たまたまなんちゃうん?」


「嫉妬?」


「嫉妬!?してへん!」




私達は騒ぎながら、学校へと向かった。






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