転校先は不良(ヤンキー)校！？①〜木戸 勇真 編〜

第13話 隠し事〜転校先は不良(ヤンキー)校！？

しばらく彼等は、大人しくしていたのか、私達の前に現れる事はなかった。

「………………」

一応、日替わりの送迎は相変わらずで毎日過ごしていたんだけど、３人の行動が何処か怪しく感じるのは気のせいだろうか？

「ねえ、最近、私に隠して、コソコソ何かしてない？」

「気のせいなんじゃね？」

「そうだよ〜」

「そうやで？」

「…そう…」

《あのまま終わるわけないし》

《コイツら絶対何か隠してる！》

私は一人一人、日替わりで後をつける事にした。

すると、どうやらヤバイ奴等と付き合っている感じだ。

《南波　了が…絡んでるんじゃ…》

私はしばらく様子を見る事にした。

―――ある日の事―――

「あれ？希美ちゃん？」

「あっ…」

《…ゴリラさん…》

相変わらず名前は知らされないまま。

まあ、滅多に会うわけじゃないから良いんだろうけど……

私の名前は知られているのは……

「珍しい。一人？」

「はい…」

「いつもの奴等は？もしかして喧嘩でもした？」

「いいえ…ちょっと…」

《ゴリラさん…知るわけ…ない…よね…？》

「そういえば…アイツら…この間、ヤバイ奴等とつるんでいるの見かけたんだけど…」

《見かけた…？じゃあ…ハッキリとした情報は分かってないのか…》

私も見かけただけだし。

みんなに聞く事もなく、話してくれる感じもない。

「…見かけた…そう…ですか…じゃあ…何の情報も入ってないんですね……」

「そうだな」

「…そう…ですか…」

「………………」

「心配なら仲間に情報聞いてもらおうか？」

「えっ？」

「いや…すっげー、心配そうだし…俺で良いなら何か力になれると思うけど」　

『アイツらあんなだけど、いい奴だぜ』

蒼介が言った事を思い出す。

「…希美ちゃん…？」

「あ、ごめんなさい。お気持ちだけで良いですよ。大丈夫です。ありがとうございます。自分で突き止めます」

「無茶したら危険だよ」

「うん…無茶はしない。みんなとは約束だから。気を付けて行動する」

「………………」

「ありがとう」

私は彼の前から去った。

「可愛い♪仲間の為に健気過ぎるだろーー……つーか…当たってみるか…俺も気になるからな」