第22話 先走りと罰

その子の家に付いたおれは、中に入り込んで様子を見ると何て言うのか少し前に子供が亡くなった雰囲気でなく親子3人が楽しそうに食事をしていた。おれは佇みその様子を見てると「これからは邪魔な子も居ないし家族3人水入らずで暮らせるね」みたいな感じで会話していた…………急に頭を殴られたような衝撃を感じたら村上が立っていて本当に殴られていた。村上は「いいから来い!行くぞ」と俺の腕を掴みおれは引きずられながら何とも言えない悲しい気持ちになってしまった。外に連れ出されるとそのまま泣きながら歩いてる子の近くまで連れてかれ「見ろ……」と言われ見るとアスパラを生やした人間を喰っていた。おれが村上に何で放って置くんだ!アレじゃ最期は消されちゃうだろ?!何で八幡様も救わないんだよ!!と怒鳴るとまた頭に衝撃が走り振り向くと中水流が立って居て「あの子だから救いたいんだろ?環境見て情が移ったんだろ??あの子が今こうなってるのも死ぬ前の環境も世界の必然的に起きてる事なんだよ……」と言われオレは納得出来ずに居るとまた殴られ「お前の気まぐれであの子を助けたとすると世界中の浮かばれない人達も全員助けなきゃいけなくなるんだぞ?俺達は神でも無いし気になった者だけ助る!?甘ったれんなよ?ソレこそ鬼や悪魔の気まぐれと変わんねーよ」と無表情で言われた。頭では理屈は判っているが納得出来ないまま数日が過ぎた。今日も泣き声が聞こえてくる……見るとその子のアスパラは変色していて通りの祠や小さい神社にはバリアが張られてるのだがそこに手を突っ込み碧い光を引きずり出し食べようとしている。おれはそれはダメだ!と叫び走り出した瞬間にその子の両腕が地面に落ち一瞬静かになった。碧い光は祠に戻り子供は更に泣きながら自分の落ちた腕を咥えようとしている。見ると甲冑に見を包んだ八幡様が刀を振り上げ自分の落ちた腕を咥えようとして屈んでるその子の首に刀が打ち下ろされようとしていた。おれは何も出来ないまま見ていた……すると強い風が吹き居ない筈のその子のお母さんがその子を抱きかかえ優しい光がその子を包みアスパラがどんどん小さくって行く。八幡様は怒った様な笑ったような顔をして刀を振り上げたままソレを見ている。少し経つと光が消えてお母さんは死神にその子を渡し力尽きるように座り込んだ……見るとお母さんで無く消耗しきった中水流だった。おれはビックリして固まってると村上がいつの間にか横に居て八幡様が刀を鞘に収めながら「君らやってくれたね?どうするの!?」と言いおれはじゃあ何でもっと早く何かしなかったと言おうとしたら身体がビリビリして動けなくなり「あの子を救うと言う事は全て救わなければならならないんだよねーあの子が環境や身体に不自由が有っても必然で特別では無いんだよ?」と中水流と同じ様な事を言っていた……そして俺達はそのまま神社に連れてかれてどんな罰を受けると思ったら赤い水がなみなみと満たされた球体を5個渡された「コレが今回の罰だねーコレからまだまだ働くようだ!因みにあの子は悪い手とアスパラ落として家で面倒見ようとしたんだけど君らが先走るから~」とケラケラ笑った。事務所の帰り道におれは2人にごめんなさい。と謝ると村上が「分かったろもうすんなよ」中水流が「村上も1回やってるからな〜……オレの変幻凄くね?いっそ自分等で色んな仕事受けてやれば赤い借金直ぐに返せるよな」と言うとまた身体にビリビリが走って3人で黙った。2人に赤い水ってお金にするとどの位って聞くと約5千万と言われ「まぁ先は長いから~」と呑気な感じでおれは(コレじゃ成仏出来ねーじゃんアノ沼行くか?)と考えてるとまたビリビリとなった………

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