第12話 街の氏神様

完全に拗れた上に自分の欲望の為と誰か何とかして欲しいと薄っすら残った自我の中で行為を止められないおれ。鏡を見れば髪は完全に白くなり瞳も青み掛かって頭のアスパラはアスパラと呼べる物では無く真っ黒い男根みたいになっていた。最近では通りの神社や祠の前を通りがかると鳥居や一段上がる段差にドアみたいな結界が張られ拒絶される……今日もただ欲求を満たすために通りを歩いてると「ねぇ?安行?ちょっと良いかな??」と突然声を掛けられ振り向くと自分と同じ歳位に視える重そうでアチコチが傷付き欠けた重たそうな甲冑に弓を持った爽やかな男が立っていた。そいつを見た瞬間(おれは直感的に今までの奴等と違うと思い本当の本当に死にたいと思った)勝手に身体が動いて殴りかかって居た。するとビリビリが身体を走り身体が動けなくなり「安行まだ会話出来るかな?コトバ解りますか?」と言われ、おれはビリビリしながら固まってると「あーオレねーこの裏の八幡だよ!安行は七五三も来てるしー毎年初詣やら一昨年前まで後厄の祈願まで律儀に来てるねー!」と言われビリビリしながら<えっ?>八幡ってあの八幡神社の中の人??って思いながら固まっていると爽やかな男は続け「高岡安行?キミは生前異世界に行き帰ってコッチで死んで死神共の手に負えなくなった時点でオレの眷属見習いとなり仕事をして時間は掛かるが実績を出して成仏するとか何だけどキミはやり過ぎてもう管轄外なんだよね」とケラケラ笑いながら言う。おれはだったらどうなる?と聞けば「この場で完全に抹消するか下請けに預けて働いて貰うかどっちかだなー……因みに抹消ってのは、無じゃなくて今の状態で真っ暗闇の中で全く身動きも取れず意識だけは有るってのが永遠と続き10年に1度訪れる尿意だけを楽しみに待ちながら過ごすって環境だから楽じゃ無いと思うよ?取りあえず下請けの子を行かせるから話だけ聞いても良いんじゃないかな?」と言われおれはもうビリビリが嫌で何でもよくてコクコクと頷いてその場を凌いだ。するとビリビリから開放されて落ち着いて考えたかったおれは目の前を歩いてたアスパラ人間のアスパラをもぎ取り食べタバコに火を付け考た………ちょっと意味判らない事だらけだよー。ちゃんと死ぬ事も出来ないのかーと考えると死にたくなったがもう死んでるよねーとタバコの煙を鼻から出しながら1人でうなだれた。

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