第3話 おれって人気ないんだな……

今更だけど死んじゃってるから自己紹介と言っていいのか判らないが、おれは高岡安行。享年43歳自営で建築関係の仕事をしていたが1人で現場で作業中倒れ半日近く発見されず病院に運ばれたが脳卒中で死んだみたいだ。死んでから頭にアスパラ生やしてウロウロしてる。オレが死んで2日後に通夜と葬儀が営まれる運びになったらしい相変わらず鏡を見るとアスパラガ生えてて自分の姿は半透明だ。折れたアスパラは何故か捨てる気にもなれずいつも持っているが不思議と萎れもしない。別に良いけど通夜に来る人少なくね?うん……結構てか自分が死んだ事よりショックだよ。ちょっとおれって人気無いんだな。会場に無駄に用意された寿司やら軽食が余ってるのが余計悲惨だなー。小学生の時におれの誕生日会を自分の家でやるってなってクラスメイトの半分が来る筈だったのにみんな取ってつけたような理由で3人しか来なかった依頼の悲惨さだねー。まあそれはもう良いとして坊さん来て読経が始まり通夜で旅立つ準備して葬儀で焼かれて骨になりあの世に出発するもんだと思ってたんだよね。通夜の時点で何にも感じないから違和感有ったけど……葬儀で読経終わってどうでもいい説教垂れて、やりました感全開で車に乗ろうとしてる坊さんの前に立ちはだかってみたり頭叩いてみたけど、完全スルーで坊さんっても皆じゃ無いだろけど普通の人なんだなーって思いながらタバコも辞めたが叔父から拝借して味のしないタバコを吸いながらあの世って無いんかな?それとも49日とかって言うけどソコで行く感じなのかなー?ずーっとこのままは嫌だね。つーか欲求有れば最高なんだけど辛いな…………と味のしないタバコの煙を鼻から出しながらぼーっと火葬場で自分の骨を骨壺に入れて最後に蓋をする際に痛くないが、おれの頭蓋骨を蓋でグシャッと割って封をしたのを思い出してちょっとイラッとした。

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