2-3-2
「ぐ、う"へぇ……」
意識をトバシて数秒間、地ベタで干からびたカエルの真似をしていた俺は、最後まで迫真の
生きてる、立ててる、……大丈夫! ハハ、人間サマを舐めんなって話だ。一日二回もグシャグシャにされてたまっかよ!
強がりもほどほどに、しかし、やはり、喰らった衝撃はかなり大きく、両の膝はたちまちへたり込んだ。正常に戻った重力へと逆らう事を、早々に
あぁクソっ腹痛ェ!、スリ傷の追い討ちが痛ェ! 昼に酸で焼かれた背中が痛ェ! 治り切ってなかった接合部が痛ェ!! もうなんか全部痛ェッ!!
1 日に何回 死にゃ良いんだ!?、俺吸血鬼じゃないし、忍殺した覚えもないしコントローラ変な持ち方した覚えもないんですケド!? 人生クソゲーオブザイヤーか!?
って残り HP 一桁でフザけた冗談カマしてる場合じゃねぇんだよ。トカゲもヒルメも見失っちまったし。
土煙が舞っちまって何も見えない。これじゃ例え起きれたとしてもォ──
「ォォ"ェェッホ!、オ"エ"ぇ!、ヤバ 、口ん中砂入りや"がっだ!!」
[ムニぃ……]
ムニぃ?——ッッ?! ?、?ッッ!?
「ぷ"フッ──!、ㄟっ!¿ フッボォ!!?」
ゼロの視界で振り回した右手の中に駆け巡った
何が出来るでもない。真っ赤に茹で上がった俺の全身は、目を血走らせ左手で
もう素直に土下座するしか……
「いやぁ~、今のは流石に死ぬかと思いましたよ……ん?、大丈夫ですかコウヤ、鼻血出てますよ?」
「ン"ア"ァ"ァァ違うんです!! 悪意は無かったんです不可抗力なんですゥぇぇア"!! ゴメンナサイゴメンナサイ見逃して……いや やっぱりブッ殺して下さい!! ただ一つ言っていいなら僕は別に触りたくて触ったとかじゃなくていや触りたくない訳じゃないんだけどだから結局何が言いたいかって言うとォ──
……墓は、海が見える処にして下さい、」
いつの間にか起き上がっていたお……ヒルメに、痴漢魔は敬語で跳び退きながら泣き声で土下座し、遺言を叫んだ。
「ん~、何を謝ってるのかテンでチンプンカンプンですが……よいよいコウヤよ! そなたの
「ま、誠にござりまするかぁ!?」
「えぇ誠にござる。拙者、素直に詫びる者を斬る程 落ちぶれては居らんのでな、」
多分気づいてないんだろうケド、肩に桜吹雪を落書きしながら許してくれた彼女。俺は呼応するように
「というか今それどころじゃ有りません! 立ちなさいコウヤ! あのトカゲ野郎に反撃開始といきますよ!!」
「お、オウ!、……って、反撃?さっき避難するって言ってなかったっけか?」
「なーに思い出したんですよ、アイツが獲物と認識したら何処までも追っかけてくる森の曲者、"アンフガガチ" だという事を! 一日くらいなら平気で追っかけてきますから、昼ご飯が夕ご飯になるだけなんです!」
そう言うと彼女は口へガムテープでもするかのように、何か言いたそうだった俺の額へボロボロの紙切れを ペシッ と押し付けた。
「何コレ……、?」
「おぉっと、今回は剥がしちゃダメですよ? せっかく命からがら食器棚から引っ張り出して来たんですから。それこそ対モンスターやっつけ魔道具、名づけて "
「う~ん、うん? うん。まぁ(ジェスチャーで)やりたい事は大体分かるんだけどよ……、覚えてんのに一人じゃ打てない魔法って大丈夫なのか?、説明も曖昧すぎて何か怖いんだけど? 寿命縮んだりとかしな──」
「まぁまぁそこは気にせず気にせず! ちょっちデッカイの撃つのに小さじ一杯くらいエネルギー借りるだけですから! ……大丈夫ですよ!!
………………(多分、)
「え、ちょ!っ、最後なんて──
「後は頼みましたよぉ~」
「オイ待てェ! 待ッてえ! 待ってください!! 最後まで説明してくr……
ボケボケのピントのまま作戦を放り捨て、そのまま蜘蛛の子散らすような勢いで逃げていったヒルメ。慌ててその背中を追いかけようとした直後。
待ってました!、とでも言わんばかりに、
[ズシン、]と大きく一発。
不穏な地鳴りが、背後より響くのだった。
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ここまで読んでくれてありがとうございます。
面白い!、ガンバレと思ってくれた方へ。
☆や♡ レビューに感想、何でも大歓迎です!
皆様の一秒で、本作は一日トレンドに乗ります。一月は走ります。一年は続きます。
他力本願で情けない限りですが、本気で書籍化アニメ化目指してます。何卒、応援よろしくお願い致します m(_ _)m
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