2-1-3
「おぉ~ーなっ、なかなか似合ってるぢゃないですかぁ! 悪く無いですよ!、」
少し独な
「えぇ~ホントぉ?、アマナメ うれしくてハピハピだよ☆ ありがとぉ♡キャハッ♪」
左右の目をデタラメに廻しながら、2 オクターブかっ飛ばしたブリ声で応える俺。彼女とお揃いの、白い着物?と赤いロングスカートに包まれていた。
「……気持ちは分かりますけど壊れてちゃ何も始まりませんよ? ホラ、誰にも言いわないであげますから」
「違うんだよォ逆なんだよォ!! 別にアイツらに見られても速攻でブチ○して終わりだケド、アンタみたいなのに見られたから死にてぇの!、てか服!?、いや男モン無いのはしょうがないとしてもさ、もうちょっとこう、ねぇの?、脇とか腰にスリットのない、それでいてミニスカじゃないヤツ……」
「ん?、そっちなんですか?……別に普通でせう、かわいいですよ」
キョトンと首をかしげる彼女のリアクションを見て思い出す。あぁそうだ、初対面だった。初対面ということはアレだ、目の前にいるガキみたいなロン毛の萌え声の性別について説明を行わなくてはならないのだ!
「ア~なんつーか、自分で言いたかねーケド。こんな見た目でも男なんだよ、俺」
「えっ、……そ、そうでしたかすみません。私としたことが早とちりを……今時 色んな性別が――
「待って違う、そうじゃない。絶対なんか勘違いしてんだろアンタ、身体も心も男なんだよ!」
「ふぇ?、またまたぁ~アハハ」
「なッ――!~~っっ!、
またまたじゃねぇタマタマ付いてんだよ見せてやろうか!、と犯罪宣言は思うだけに留め、髪をグシャグシャに
「もぉいいじゃないですかこの際、どうせ服ソレしかないですし。可愛いですよ?、ホラ、せっかく助かったんですからいつまでイモムシのまねっこ してないで、」
「……ふぁい、ふぃまへん、」
慰めと説教が混じった何かと数センチまで迫ってきた顔に、思わず口から不完全な謝罪が飛び出す。
命の恩人相手に何をムキになっているんだろうか。俺は、この年でションベン漏らして挙句 服にまでイチャモンつけて……
まったくもってどうしようもn——顔チカっ!!、
慌てて離れて白眼と鼻血を抑えて、三周ぐらいしてようやく戻って来た理性を捕まえたら。逃げるようにヒルメ以外へ、おれは手当たり次第に目線をズラした。
細長い木板だけで作られた廊下、オセロ盤のように区切られた天井。
緑の藁?で編まれた床への敷物、嫌にツラが不気味な着物姿の人形、
紙だけで覆われた火災誘発ランプ、首が揺れ続けてる赤い牛?の置物、
……成る程、知ってる
「──っ!、ここは私の家ですよ! 庭でボロボロのアナタを見つけたので、病院よりもこっちの方が良いと思ったんです」
首を傾げ続けるコチラを、(何故か)ニヤニヤと誇らしげに見ていたヒルメ。突如 何かに気付いたかのように、髪をイジイジしながら此処がどこなのかを伝えてきた。
しかし、そんな事は既に分かり切っている事で。寧ろこんな芸術家のアトリエみたいな所が病院だと言われたら、いよいよあの崖が別世界の入り口だったなどという、オカルトめいた与太話を始めなくちゃいけなくなってしまう。
そもそも庭に落ちてたって……ん?
「庭ぁッ!?」
「うぉっ!、何ですかイキナリ……でっかい声出さないで下さいよ、」
「あ、悪ぃ──っていや待て! 枝に引っかかったとかじゃ無く庭に落ちてたって、そんなワケ無ぇだろ!! そもそも崖って……」
「七〇メートルはありますねぇ」
「バッチリ死んでんじゃねーか!! ひょっとしてアレか!?、病院よりこっちの方が~、の "こっち" ってあの世 的なアレか!?、もしやアンタ死神か!?」
何処ぞの方言みたいにカッカカッカと騒ぎだした俺を他所に、突如として何も言わず部屋を飛び出していったヒルメ。え。何?、鎌とか持ってくんなよ?
理由を聞く間もなく、お湯も掛けずに 3 分。今度は両手にこれまた見たこと無い不思議なデザインの丸鏡を 2 枚 抱えて戻ってきた。
何するつもりなんだ?、
カギ括弧をつけるよりも早く、彼女は鏡の片方を手渡し背後へと回る。
そして有無も言わさぬまま俺の防御力が低そうな服をたくし上げると、自身の持つもう片方の鏡へ、露わになった背中を映し出した。
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ここまで読んでくれてありがとうございます。
面白い!、ガンバレと思ってくれた方へ。
☆や♡ レビューに感想、何でも大歓迎です!
皆様の一秒で、本作は一日トレンドに乗ります。一月は走ります。一年は続きます。
他力本願で情けない限りですが、本気で書籍化アニメ化目指してます。何卒、応援よろしくお願い致します m(_ _)m
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