第四話 迷宮の神の苦悩
一方そのころ天界では
「もーあの人間……人のこと胸が無い胸が無いって胸がそんなに大事か!ほんとに男は胸ばっかり!胸のない女はそんなに嫌か!私だって好きで胸が小さいんじゃないのよ」
自分の胸をラビスは見つめる。
「そりゃあ私も胸があった方がいいとは思ってるけど……でもでも胸が大きいと肩凝ったり、走るとき揺れて邪魔になるじゃない。そうよだから胸が大きければいいってもんじゃないのよ」
一人でしゃべった後、膝から崩れ落ちた。
「うぅ……」
「ラビスちゃん。何一人でぶつぶつ言ってるの?何か困ったことでもあった?」
胸が大きく、妖艶な雰囲気を醸し出している女神がラビスのところに来た。
「美の女神様……」
ラビスは美の女神の胸を見て一層落ち込んだ。
「あらあらどうしたの?私の胸を見たとたんに落ち込んじゃって。もしかしてラビスちゃん胸が小さいのを気にしてるの?」
花のようにいい匂いがラビスを包み込む。
「うぅ……そうなんです。さっき人間に警告をするために姿を現したら胸が小さいってものすごい連呼されたんですよ。美の女神さまはどうしてそんなに大きいのですか?」
ラビスはキラキラした目で美の女神に尋ねた。
「うーん。そうねぇ……私の胸が大きいのは私が美の女神だからだと思うわ。生まれたときからみんなより大きかったし年月が経つにつれて少しずつ今の形になっていったわ」
美の女神の胸はまるでプルンプルンのプリンのような質感で、尚且つホイップクリームのように滑らかな肌。
思わず触りたくなるような見た目をしている。
それに比べラビスの胸は形も何もなく、つるつるでまな板のようにまっすぐだった。
『全然参考にならない』
ラビスはそう思った。
「ごめんね。何も参考にならなくて」
美の女神は申し訳なさそうに謝った。
「い……いえこちらこそ変なことを聞いてしまって」
ラビスも謝った。
「でもねラビスちゃん。胸なんて所詮自分を飾る一つの要素でしかないわ。だからそんなに落ち込まないで他のところを磨いていけばいいと私は思うわ」
美の女神はラビスをなんとか励まそうとする。
「美の女神様……はい!胸が無くったって私は私。そんなことで落ち込んでる暇なんてないですもの」
ラビスは美の女神に励まされ元気を取り戻した。
「よかったわ。ラビスちゃんが元気になって。それじゃあ私はこの辺で失礼するわね」
「はい!ありがとうございました」
美の女神は向こうの方へと去って行った。
「さてじゃあそろそろ本格的に迷宮を作ろう。今のところは地上に近い場所に魔物を配置しただけだからいろんなところに罠や仕掛けを用意してっと」
ラビスは本格的にダンジョンづくりを始めた。
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