第11話


 翌日俺は美波ちゃんに電話をかけてみる事にした。


「もしもし」


「あ、美波ちゃん?今電話大丈夫?」


「うん」


「話したい事があるから、今日会えるかな」


「大丈夫だけど」


「じゃあ夕方行くね」


「わかった」


 やっぱり元気がなさそうだった。


 女心なんて俺に分かるわけない、付き合った事も初めてなのにいきなり迫られて、しかもあんな密着されて緊張するに決まってる。



 でも‥‥拒否されるってのはショックなんだよな。


 

 昨日、絆に拒否されて初めて分かった。

 だからこそ、美波ちゃんに謝らないと。


 彼女なんだから悲しませたら罰が当たる。



 夕方部活が終わった後、一旦家に帰るとシャワーを浴びた。

 いつもより丁寧に体を洗う。

 美波ちゃんちに行くからではない、ただ汗をかいたからだ。


 でもそうなったとしても今度は出来るだけ応えようと思う。

 

 

 美波ちゃんちのインターフォンを押すと、俺の事を待っていたのか?すぐに出てきた。


「来たね、入る?」」


 テンションは高くないものの意外と普通に接してくれた。

 案外怒ってないのかも。


「おじゃまします」


 俺がソファに座ると普通に隣に座ってくる美波ちゃん。



「話ってこの前の事?」


 美波ちゃんから切り出してくれた。


「あ、うん。なんかこの前はいきなり帰ったりしてごめんね」


「私の方こそ悟くんが嫌な事してごめんなさい」


 謝る姿を見て、反省するのは俺の方だと思った。


「その事なんだけど‥‥俺別に嫌なわけじゃないから」


「え、そうなの?私てっきり嫌われたのかと思ってた」


「実は俺、その‥‥経験ないんだ」


「経験ないって、どこまで?」


「‥‥全部」


「もしかしてキスも?」


「うん、恥ずかしかったから言えなかった」


「そうだったんだ。よかったぁ」


「だから、海の時も本当はドキドキしてたけど、どうしたらいいのか分からなくて誤魔化しちゃった」


「私に魅力を感じてないのかと思って少し傷ついたけどね!」


 美波ちゃんはいつもの笑顔に戻っていた。


「ごめん」


「フフッ、いいよ。でも言ってくれてありがとう」


「うん」


 美波ちゃんが腕を組んできた。


 いつもこうゆう感じなのか、自然に体をくっつけるのが好きなのか。


 美波ちゃんの胸が俺の腕に当たる。


 暑いから仕方ないが、美波ちゃんはすごく薄着だ。男の俺からしたら普通にTシャツでいいと思うのだが、女は何故か胸元の空いた服を着たがる。


 美波ちゃんに関しては胸がコンプレックスだと言っていた割にはキャミソールを着ている。

 見て欲しくて着ているのかもしれないが俺には刺激が強い。


「美波ちゃん、その格好で外とか出ないよね」


「なんで?」


「いや、その、なんて言うか」


「これじゃ出ないよ、部屋着だから気にしないで」


「そ、そうだよね」


「家いる時は楽でいたいからブラもしないんだぁ〜」


 そんな気はしていた。


 腕に当たる感覚が妙に柔らかくてひっつく感じがしていた。


「悟くんいい匂いする、お風呂入ってきたの?」


「うん、部活で汗かいたから」


「私も悟くんが来るって言ってたからさっきシャワー浴びたんだよ」


 美波ちゃんは反対の腕を俺の腰に回して抱きついてきた。


 目線を少し下に向けると谷間が目に飛び込んできた。


 ブラしてないんだよな。

 そう思うとどうしてもそこに目がいく。


 あぁー!なんでこんなピタッとしたキャミソール着るかな!


 俺は反応していくのを感じた。


「悟くん、私に任せてくれる?」


 美波ちゃんが上目遣いで言ってくる。


 今日は拒否しないって決めたんだ。


「う、うん」


 美波ちゃんは俺の手を自分の胸に当てた。


「触ってみて?」


「ど、どうやって」


「好きなようにしてみて」


 俺は胸をゆっくり揉んでみた。

 思っていた以上に柔らかい。


「あっ//」


 美波ちゃんの声にスイッチが入った俺は両手を使って揉んだ。


「悟くん//もっとして」


 俺は無意識に美波ちゃんを押し倒していた。本能なんだろうな、練習なんかしなくても手が勝手に動いていた。


 服の上からキスをしながら唇で胸の先を探す。


「あっ//」


 美波ちゃんの声がしたと同時に硬くなったものを見つけた俺はキャミソールを横にずらし脇の方から舌を這わす。


 美波ちゃんの体がモゾモゾしだしたが、俺の方も限界に近づいていた。


 

「悟くん‥‥私にも触らせて」


 美波ちゃんはそう言うと、今度は俺を押し倒してズボンに手をかけ、あっという間に全部脱がされた。


「すごい事になってるよ」


 美波ちゃんに言われて急に恥ずかしくなった俺だが、気持ちとは裏腹に感じていた。


「んっ//」


 美波ちゃんは俺の恥ずかしい所を優しく触りながら上下に動かす。


「もう、だめ//」


 やはり俺には刺激が強すぎたみたいだ、美波ちゃんが触って一分も経たないうちに果ててしまった。



「なんか嬉しいな」


 美波ちゃんは服を整えながら微笑んでいたが、俺は放心状態だった。


「悟くん大丈夫?」


「あ、うん」


「悟くんって本当かっこいいよね、私キュンとしちゃった」


「え、俺が?」


「押し倒してくれた時の顔すごくセクシーだった」


「恥ずかしいよ」


「大好き」


 美波ちゃんはそう言いながら俺に抱きついてきた。


 なんだろ、この気持ち。

 幸福感というのだろうか、心が満たされている感じ。


 これが恋?愛?

 それとも出すもの出した後の満足感?




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