第15話
「むにゃむにゃ・・・お兄様大好き」
「う〜ん・・・にいさま、すき」
か、かわええええええ!!!!!
なんじゃ!この生き物は!食べちゃっても良いかな!良いよね!
俺の目の前には二人の小ちゃな女の子が、一つのタオルケットを分け合って寝ていた。
片方は黒髪ロングの活発そうな雪。
もう片方は茶髪ショートの物静かな雫。
雪は『お兄様!見て下さい!名前を書ける様になったんです!』ってニコニコしながら、拙いながらも頑張って自分の名前を書いたと分かる紙を広げて見せて来る元気っ子だ。
それに対して
雫は『にいさま、絵本読んで?』って俺の膝の上に座りながら、眠そうな目で上目遣いをする本好きの静かな子だ。
くそっ!どちらも甲乙付け難い!
まぁまぁ、今決断する時ではない。お目覚めのチュウでもしてやるか!
んぶぅちゅぅ〜!!!!!
コンコン
「真君?いる〜?」
!?
な、なにぃ!後ちょっとで濃厚なキッスが出来たのに!
「いるよ、雪と雫は寝てるから静かにね」
「・・・ウン、えへへ、雪と雫かわいいね」
「結衣も可愛いよ」キラッ
俺は結衣を見ながらキザなセリフを吐く。
ククク、結衣は白馬の王子様が大好きなタイプだからな、こう言うセリフを言うと好感度が爆上がりするのはもう分かっている!
ほら見てみろ
「ううう〜真君・・・大好き」
目うるうるさせてこっちを見てやがるぜぇ。
・・・え?なんか目を瞑って唇を突き出して来たんだが?
え?え?良いの?やっちゃうよ?やっちゃって良いの?
『やっちゃえ真さん』
ハッ!ブタキムが囁いてる気がする!
行きます!やっちゃいますよ!ゴー◯さん!
チュ チュ
「ハァ〜♡真君♡」
チュ チュ
「ふぅ、結衣、好きだよ」
雪と雫の寝ている部屋にライトキスの音が静かに響く。俺達は、お互いの気持ちを伝え合いキスに夢中になる。
そこに新たな音が響く。
そう、雪と雫が身じろぎし、起きそうな声が!
「「んっ、んんっ」」
「「!?」」
なに〜!!!今度は雪と雫に邪魔されるとは!このままベロチュウしてやろうかと考えてたのに!!
結衣が驚いて離れちゃったじゃん!!
「ん?あっ、にいさま、お姉ちゃん、帰って来たの?おかえり」
「あっ!お兄様!結衣姉様だ!帰って来たの!?」
俺達の姿を寝惚けた目で確認した後、目を輝かせて抱きついて来た。
「あ、ああ、ただいま二人とも」
「ただいま!」
「「ん?二人共顔が赤いよ?」」
「そんな事ないよ、それより今日の夜ご飯は豚角で焼肉だよ」
「「焼肉!やったー!」」
俺の焼肉と言う言葉に雪と雫は笑顔で喜び、まだ予約した時間まで数時間はあるのに、今から何を着て行こうか、何を頼むかを二人で話し合っているのを見てこっちも笑顔になる。
「ほら、二人ともリビングに行こう」
「「はーい」」
ガチャ
—————————
「ただいま!雫ちゃん!相変わらず天使だ!
真君に変な事されなかったか!」
「ん?されてない?てか変な事ってなに?」
「お父さん!変な事言わないでよ!」
四人でリビングに戻ると、早速親バカの清が雫に駆け寄り頬ずりをしつつ俺に何かされてないかを確認し、結衣に怒られると言ういつもの光景が見れた。
しばらくの間これが見れないのか、残念だな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます