第11話

「ん、んん、はっ!ここはどこ?わたしはだれ?

 ここは家、私は神谷真」


「あら起きたのかしら?・・・ああ良かったわ、おはよう真」


 マミーの声が聞こえる。

 ・・・・・・そうだ!昨日の深夜?今日の超朝方?まで続いた悠也と静流の夜のズッコンバッコン大運動会で眠れず、悠也への怒りで朝まで勉強をしてたんだった。

 あんにゃろう、帰ったらタダじゃおかねぇ!

 しかし、まずはマミーへの挨拶だ!


「おはよう、お母さん。今何時?それと、ごめんなさい!学校休んじゃった。

 で、でもね!なんか昨日の夜ね!ベットでジャンプした時に鳴る『ギシギシ』って音がずっと鳴ってて寝れなくて・・・ごめんなさい」


 完璧な良い子を演じている!これは高評価ダァ!

 さらに、マミーへのセクハラも完璧です!

 実況のオタク神の悟さん、どうですか!

『いや〜これは高評価間違いなしですねぇ。

 真選手、伸び代がありますねぇ↑!』

 ありがとうございます!

 さて、これに対してマミーはどう切り出す!


「おはよう、今はお昼よ。

 それと学校を休ませたのはお母さんよ、貴方は悪くないわ。それにしても、その音は何の音かしらね?怖かったわね真。でも大丈夫よ、私とお父さんが真を守るからね」


「うぇぇん!お母さん!怖かったよ〜!」


「あらあら、よしよし怖かったわね」


 おっと、ここで真選手!泣き真似をしながら静流選手の胸にダイブしたァァァ!!!

 しかし、静流選手はいい手を打ちましたね〜ギシギシ音をスルーしつつも子供へのフォローをすると言うファインプレー!!素晴らしい!


 うひょょ〜、このぱいおつたまらねぇ〜!俺は今、桃源郷にいる!


「あっ!そうだお腹空いてない?」


「空いてる!ラーメン食べたい!」


「それじゃあ、出前でも取ろうかしら」


「やった!チャーハンも!」


「ふふ、はいはい」


 静流はそう言うと電話で出前を頼み始めた。


 ————————


 ガチャ


「ただいま〜」


「あら、帰って来たわ・・・お帰りなさい、貴方」


「ただいま静流、真はどうだ?大丈夫だったか?」


 お昼を食べた後、数時間勉強をしてバケモンをやっていたら、玄関から悠也と静流のやり取りが聞こえてくる。

 悠也が心配そうな声を上げている、これを聞くと良い父親なのがよく分かる。


 しかし、俺には通用しない!いじり倒してやるぜ!


「おかえり!お・と・う・さ・ん!!待ってたよ」


「おお、大丈夫だったか!良かった!お前の好きな金だこ買って来たから食べような!」


「・・・・・・ふんっ!まぁうん食べる」


 ・・・なんやコイツ、調子が乗らないじゃねぇ〜か!


「あらあら、照れてるのね真。ほらお父さんとお風呂入って来なさい」


「行くぞ!真」


 悠也と静流は照れている真を温かい目で眺めた後、静流は夜ご飯の準備に、悠也は真を連れてお風呂に向かった。


 —————————


 沙織視点


『な!なにぃ〜!もう一回戦だと!寝れねぇ!!

 沙織様助けてぇ!!!』


悠也と静流の夜の大運動会で寝れない真の声が神の間に響いた。


「ウッヒョ〜!!めちゃシコですわぁ〜!!!

 尊い!おとおーーーい!!!」


『うるせぇーぞ!!腐女子野郎!!【マジガミ】やってんだから静かにしろ!!』


「・・・・・・ふぅ♡・・・ん?なんか真さんがおかしな事になってるけど良いや、疲れたーお風呂入って寝よ」



 ああ!悟神よ!どうか我を救い給え!!


『は?誰だよテメェ俺は【マジガミ】やってるから無理、沙織!なんとかしてぇ』


「もうシコった後だから寝るぅ、お休み〜」


『チッ、めんどくせぇ無視しよ』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る