第10話

「全く、二人とも?入学して嬉しいのは分かるけどもう少し落ち着いて頂戴」


「「はい」」


「もう、真もいつの間に泣き真似なんか覚えて。

 貴方もよ、何無関係を演じているのかしら?

 何度も言う様だけど、私のおっぱいは私のなのよ?分かってるのかしら?」


「「はい、ごめんなさい」」


 俺達はただ今腰にバスタオルを巻いた格好で正座をさせられている。

 泣き真似をしながら静流に突撃したら、何故か俺も怒られていた。・・・何で!!


「反省している様だし、良いわよ。

 ほら、早く服を着て来なさい。風邪引くわよ」


「「はーい」」


 後で覚えておけよ悠也!!バケモンでボコボコにしてやる!!


 —————————


 ギシギシ ギシギシ


『貴方♡貴方♡』


 ギシギシ ギシギシ


『静流!静流!愛してる!そろそろ!』


 ・・・・・・五月蝿いんじゃワレェ!!!!!!

 まだ俺が寝てないのにヤルとはどう言う了見じゃ!ワレェ!!!!!!!悠也貴様ァァァ!!!!

 焼肉ジャックでのファインプレーで突撃しないでやるとは思っていたけど!!俺が寝てからにしろよォォォォォォォ!!!!!!


 クッソ!興奮して寝れねぇ。

 バケモンをやろうにも、難天堂JSは静流に回収されたし!はぁ〜ちょっと勉強でもするか、前世ではしたくても出来なかったからな。


カキカキ カキカキ ギシギシ カキカキ    


  ギシギシ  カキカキ カキカキ ギシギシ


 ・・・・・・・・心を無にしろ、心を無にしろ。


 カキカキ ギシギシ! カキカキ ギシギシ!

 

 ギシギシ! ギシギシ! カキカキ ギシギシ!!


『あ〜!貴方ァァァ!・・・ハァ、ハァ、愛してるわ貴方♡』


『ふぅ〜・・・ハァ、ハァ、俺も愛してる。

 休憩したら、もう一回戦だ!』


『も、もう、貴方ったら♡』


 な!なにぃ〜!もう一回戦だと!寝れねぇ!!

 沙織様助けてぇ!!!


 ———————————


 悠也視点


 いや〜最高の朝ですねぇ!今日の仕事も頑張れそうだ!


 ペタペタ ペタペタ


 おっ!真が起きてきたな。小学一年生かぁ大きくなったなぁ、昨日はあんな事があったが約束したからな、ちゃんとパソコンを買って来るからなぁ!


「おう!おはよう、真!!って、どうしたんだ!

 隈が出来てるぞ!」


「えぇ!真!?どうしたの?何かあったのかしら?」


 な、何があった!!真が目がバキバキになって隈もすごく濃いぞ!誰だ!誰がこんな事をしたんだ!!

 静流もビックリしてキッチンから飛び出して来たし!真をこんな目に合わせた奴は絶対許さねぇぞ!


「・・・・・・昨日の夜、煩くて寝れなかった。

 眠い」


「「「・・・」」」


 さて、仕事行って来るかな。


「・・・真?どうして父さんの袖を掴むのかな?」


「わかんねぇのかよ、もし『分かんないなぁ〜』なんて抜かしたら、テメェのバケモンで6Vの色違いが出たらそのソフト、ぶっ壊してやる」


 ひ、ひぃぃ、俺の息子が人を殺した奴みたいに目が据わってやがる!

 それに、言葉遣いもヤベェ!!どうしよう静流!


「真?今日は休みましょう。おいで、一緒に寝ましょう?貴方?今日の帰りに真の好きな金だこを買ってきて頂戴」


 しずるぅ!!あなたは神か!!


「あ、ああ!分かった!真、金だこ買って来るからな!そ、それとパソコンも今日の夜に注文しておくから、6V色違いのソフトを壊すのはやめてくれ、な?マジで頼む!」


「もう、無理、ね、む、い」バタッ


 し、しーーん!!ごめーん!

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