タイトルなし 210506

ブォンジュール(ニヤッ


なんだこの

聞くに堪えない

発音は・・・

おかしなフランス語に

思わずドン引き


この漫画の広告を見て思ったことがある。「字あまり」だ、惜しい。57577の美しい音の流れを理解できないと見える。ああ情けない。広告を作ったのは日本人?作家は韓国人?どっちにしても「もののあはれ」を感じる教養かマーケティングの能力のいずれかがないのは明らかだ。「なんだこの読むに堪えない日本語は・・・」とでも言っておこう。私はゴッドでもなければブラックフィールドが何かもよくわかっていないが。



・・・嘘です。私は外国人の喋る日本語に基本感心している。正直自分で使っていてもなかなか難しい日本語を、こうもストレートに意味が分かるように扱えていることの方がすごいと思う。それに、私たちが喜んで聞いている英語の歌詞も、本場の人からしてみれば発音やら文法やら破綻しきっているに決まっている。誰であっても、本場のフランス人に教わっていても、異国語を訛のないレベルまで持っていくのは相当に難しいはずだ。

それでもコミュニケーションはできるのだから、「聞くに堪えないフランス語」などと言って、目の前できれいなウエイトレスとフランス語で盛り上がってマウントをとらないであげてほしい。相手が坊主で眼鏡で自分をバカにしている親戚だとしても、まだ高校生だとしたら猶更だ。こういう小さな敗北の積み重ねを、「私はまだ伸びしろがある」と思えるアンタはそれでいいが、そうでない人間もたくさんいるのだ。

しかも、だ。これが高校生同士ならまだわかる。「あんさんのプレー、膝に負担がかかるやろ。あかんなぁ東京モンは、大阪は練習のレベルがちゃいまんねん。」と全国大会で挑発するのとはわけが違う。ガワこそ高校生だが、中身はフランスで戦っていた日本人の大人なのだ。自分だって発音に躓いた時期があっただろうに、それを棚に上げてマウントを取る。修羅場をくぐったクールな傭兵26歳は、自分よりも一回り精神年齢の低い人間を相手に大人な対応ができなかったわけだ。それでゴッドだとは笑わせるではないか。

もちろん、胸糞悪い親戚を黙らせられてスカっとするのは構わないが、それを大人気もなく同じ語学でやり込める必要はないだろうに。「ええやんフランス語!わいはようわからんけどグッジョブやで!(ニカッ」と言ってのけるくらいの度量が欲しい。主人公にそこまでの人格を求めるのは酷かもしれない。だとしてもマウント合戦を正とする昨今の作品の軸はカタルシスとは似て非なる、まさにシャーデンフロイデだ。蜜の味と言うが、過度に摂取すると糖尿になる。気を付けよう。

とは言えだ、傭兵などという殺人だの暴力だのを仕事にしているような奴は、器量が狭くて当然なのかもしれない。無料で読める現にこうして、私もキーキー啼いているではないか。


殺人犯にミスは許されない。なら練習するしかないが、どうやって?傭兵なら銃の練習をするだろう。要は使っている武器の扱いを体に覚えさせるというわけだ。

殺人犯に当て込めるとどうだろうか。ナイフで刺す練習をカカシ相手にすればいいだろうか。あるいは、首を絞める紐の結び方を覚えるべきか。人間相手にはできないが、何か準備をしないと心が落ち着かない。そんなことを考えるGWだったが、一つ思ったことがある。

猫や犬を殺してしまう子供は、楽しくてやっているのではなく、それが「必要になる」と本能で感じてやっているのかもしれない、ということだ。人間は狩猟民族、もっと言えば狩りをする獣だ。命を自らの手で奪うことをDNAレベルで刻まれているのではないか。もちろん法や文明がその必要性を奪ったわけだが、獣としての素性が生殖のタイミングで必ず発露するように、機能としては必要かったとしても表に出てくる側面があるのではないだろうか。そしてそれが大人になって、しかもよりにもよって「命を奪う」という側面がひょっこりと出てくると、シリアルキラーの出来上がり。それか、「武士道とは死ぬことと見つけたり」、「命を奪っていいのは奪われる覚悟のあるものだけだ」、なんていうセリフがあるように、誰かを殺した時点で、自分も死にたがっているのかもしれない。


そう言う意味では私は幸運だったんだろうか。今まで、誰かを傷つけてでも自分が躍り出ようとすることは一度もなかった。優しいからじゃない。傷つけるのが怖かっただけ。結果から言うとその判断は間違っていなかった。私は人を傷つけるのに向いていない。きっと他人を傷つけた自覚をできない人間も、傷つけたとしても平気な人間もいる。私はそのどちらでもない。何かするたびに誰かを傷つけているのではないかと考えてしまう。だから、実際に「目に見えて傷から血を流している」相手を見たときのあの感情は、「やっぱりそうだよね、傷つくよね」だったのかもしれないと、今になって思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る