第119話 病気の代償

2022.8.24

最近、保育園での仕事が何だかつらい。


私は保育園で看護師をしているが、看護師とは名ばかりで、0才児の保育補助という名の肉体労働だ。


身体がつらいならまだしも、気持ち的にしんどい。

それは、「普通」でいなければならないという気疲れもあるし、自分の病気が周りにバレてしまうのではないか、という焦りもある。


私の仕事柄、カミングアウトはほぼ不可能だ。

隠して、あたかも「普通の人」であるように振る舞う。


ガチ鬱になって2ヶ月ほど仕事に行けなくなり、復帰した時もいづらい感じはあったが、私が飲んでいる、双極性障害の代表的な治療薬である炭酸リチウムのゴミを目の前に出されて尋問?されて以来、とてもいづらくなった。


そ知らぬ顔をして、「私じゃないです、前に休職した時に薬を出されていた時に少し薬を飲んでいた時期はありましたが、今は元気です」なんて、焦燥感に駆られた時ほどスラスラと嘘が出てくるのは何故だろう。


「それは私のものです」と認めれば、おそらくクビになるから、認めることができなかった。


「これ、躁うつ病の薬だよね。もしそんな病気だったら大変だからさ」とまで言われてしまえば、認めることはできないだろう。


そして、「精神的にアレな人は、子どもに手をあげることもあるからさ、怖いよね」とも言われた。


精神的にアレな人。

私です、、


しかも寛解はすれど一生「完治」は見込めない。


一生、「精神的にアレな人」の烙印を抱えて生きていかねばならない。


そんなところで、週3日を何とか保育園でだましだまし働いているのだが、どうしたって調子が悪い日もある。「鬱なんで休みます」なんて言えないから、嘘を付く。

嘘を付いた自分に、失望する。

そして自分を傷付ける。


そんな、無限のループだ。


保育園の行事等々、何かイベント事がある時も休んでしまったりすることがある。

そうなると、他の人に迷惑をかけてしまう。


ある時、内科健診か何かで私が嘱託医のお付き添いをしなければならない日、どうしたって調子が悪くて休んでしまったことがあった。


それで主任保育士がいろいろ大変な目に遭ったらしい。

その時から、きっと嫌われていると思う。


看護師なのに、草むしりをやらされたりとか。

休み希望出したけど勤務表に反映されてなくて、諦めて出勤したら「今日、休み希望出てたけどどうして来たの?」と言われたりとか。


まぁ個人的な被害妄想かもしれないけど、体感的に、感じるものがあるのだ。


きっと周りにはバレてるかもしれない。

でも、「普通の人」を演じていれば、そのうち覆るかもしれない。


だから、鬱でも頑張って作り笑いをする。


先週、夏風邪で保育園を数日休んでしまった。

が、めちゃくちゃ調子良かった。

調子良かったというか、フラットな感じ。躁でもないし、とはいえ鬱でもない。


私が躁になるときは、次々にいろいろなことが頭に浮かんでくる。

クソほどどうでもいいことや、「もしこんなことが起きたら」みたいなことをイメトレに近い感じで次々に考えが湧いてくる。


だから、現状は0才児クラスの保育補助という名の肉体労働をしつつ、「普通の人」を演じるという精神労働もしている。

いわゆる気疲れだ。


「精神的にアレ」な人が働くというのは大変だ。

どんな病気や、どんな人に対しても平等に、なんて誰かは言う。


でも、実際は平等なんかじゃない。

理不尽、不条理、腐るほどある。


いろんな思いをしたら、ココロがすさんでしまった。




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