第97話 死ぬための一手

2022.6.27

今日もマンションの屋上の手すりに足を引っ掛けて、X JAPANを聴く。


ENDLESS RAINを聴いて、号泣した。


今までの私の人生って何だろう、とか


これから生きてて何か楽しいだろうか、とか


何だろね、びっくりするくらい何も出てこないんだよ


あそこのケーキ美味しいじゃん、とかクソみたいにどうでもいいことすらも出てこないんだよ。


ただただ、また明日が来るって思ったら、うんざりした。


生きる意味も、何もわからない。


薬で酩酊してたら、完遂できたかもしれない。

次は薬アリで挑戦。


周りにいる幸せな人間たちが本当にうざくて。


私の周りに来ないでくれ、って思う。

お前らは仕事とか家族、子どものために生きたいから死にたくないんだろ?


私はそんなもの何もない。


家族も、友達も、誰も信用できない。

仕事も、居場所なんてない。


旦那も、腫れ物を触るように接してくる


私が心を許して、何でも相談できる人間なんて、この世の中の、どこにも、たったの一人もいない。


いつもいつもいつも、たった独りぼっちで悩んで、苦しんで、もがいてきた。


もう疲れた。


死にたい。

消えたい。


未来に光なんかない。


解放されたい。


生まれて来なければよかったって言うなら、責任取って最後まで殺せよ、母親。


お前なんかって言うなら、小さいうちにさっさと殺してくれりゃこんな思いもしなくて済んだのに。


誰もたった一人も信じられないまま私は死んでいくのか


唯一可愛がってくれた祖父も、もう空の上


早く連れてってよ、迎えに来てよ、背中押してよ


こっちの世界は生きづらい、つらいことばかりだよ



もう疲れちゃったよ、死ねば病気も治るでしょ


死ぬための次の一手を考えながら、日々過ごす。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る