第95話 遺書

これが読まれるかどうかはわからないけど。


私は小さい頃から虐待を受けて育った。罵詈雑言を浴びて育った。

父違いの姉からも良くは思われていなかった


毎年誕生日は苦痛だった


誰一人、信頼できる大人なんていない中で育った


そしたら、誰のことも信用できなくなった


信用できるかな、と思ったら、私の過去と傷を見て去っていった


大人になったら、幸せになれるかと思っていたけど、それは違った


お母さん、あなたは自分の機嫌が悪い時には私に罵詈雑言を浴びせましたね

口なし、耳つんぼ、たくさん言われました


ある時、夜にトイレに起きたら頬をぶっ叩かれました


掃除機の柄で顔をぶっ叩かれたこともありました


熱を出したときにはポカリスエットをぶん投げられました


インフルエンザになった時は「死ねばいいんだ」と小声で吐き捨てて襖をピシャリと閉めました


夜は、寝返りを打てばうるさいと怒りましたね

私は、その時から物音に過敏になって、今では睡眠薬がなければ眠れなくなりました


全部覚えてないでしょう


私は、あなたが言った言葉や顔、声も覚えています



そんなもんです


でも、それが普通と思っていました


19歳で自殺未遂をして救急搬送された時、私の心配じゃなくてお金の心配をしてましたね

「自費で3万もかかった!」と言ってましたね


私が貧血で入院した時、仕事もできずに生活費に困っていたとき、保険金をサバ読んで少ないお金しかくれませんでしたね


全部全部覚えていますよ


私は、小さい時からのその時の記憶が未だに昇華しきれずに、精神科にずっと通っています


あなたの前では平気なふりして、大丈夫だと言って、本当は何度も死にたいと思って自殺未遂まがいのことを何度もしています


先日もマンションの屋上から足を投げ出して、あと一歩、飛び降りれば完遂だったのにうだうだと完遂できませんでした


それでも、生きることに対して、これから楽しくなるとも、今までの人生も楽しいとは思えません


旦那へ


一緒にいてくれてありがとう

大変だったでしょう


私がいなくなって、お荷物がいなくなったと内心楽になったのではないですか


次こそは幸せになってください


私は誰のことも信用できないまま生きてきました

結婚した今もなお、誰も信じられません


あなたのことも心のどこかで疑い、信用できないまま過ごしてきました


悩んだときも、つらいときも、いつもいつも私は独りぼっちで悩んでいました


誰にも何も言えずに、独りで抱え込んでいました


でも、独りで抱えるにはもう重くなってしまいました


双極性障害という病気が発覚して、たくさん迷惑かけましたね


ガチ鬱になった時、「死にたいなら離婚してからにして」「片親だから家族がわからないんだ」と言われたこと、ずっと忘れないでいました


だからこそ、そんな私の居場所は、どこにもないなと最近感じています


好きだったクリニックも、辞めざるを得なくなって



保育園でもどうでもいい扱い、私はいてもいなくても良い存在


リチウム事件できっと頭おかしい存在


家の中にも、居場所はあるようでありませんでした


つらいのに、それとなく普通に振る舞うことにも疲れました


人は独りぼっちです

生きるのも死ぬのも独りぼっち


友達やカップルと歩いている人を見ると羨ましくなる


私には、何もなかった


今までもこれからも、生きてて楽しいであろうことが思い付かないので、唯一可愛がってくれた、私の味方でいてくれた祖父のところに行きます


こんな私と関わってくれて、肯定的に関わってくれた方、ありがとうございました


私は生きることは選べませんでした


これを私の最期の言葉とします。


さよなら、みんな元気でね。

Good luck.

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