第85話 信じること
2022.6.17
今日は、派遣の看護師の単発バイトの日だ。
自分は、世のため人のため、何の役にも立たない人間だなと思いながら仕事をする。
いつもなら、仕事を頑張った後の「ご褒美」を、馬の鼻先のニンジンかのごとくに思い浮かべて仕事に行く。
でも、今日はそんなことも考えられなかった。
ただ、行くだけ。
カフェに行っても、皆パソコンを広げてリモートワーク、もしくはお勉強。
皆、頑張っているのに私は何も頑張っていない。
淡々と仕事するだけだ。必要ともされていないのに。
頑張っている人間を見るのがどこかつらくて、カフェに寄るのも何だか躊躇してしまう。
マックくらいなら、民度的にまぁいっか、ってなるけど。笑
私は私が嫌いだ。
母に小さい時から、蝶よ花よの真逆の育て方をされた結果、自分を傷付けるのも厭わないレベルには自分を嫌いなまま生きてきた。
アプリやサイトで誰かに会うのも、別に快楽が欲しいとか、お金が欲しい、とかではない。
私が嫌いな、私自身を求めてくれる誰かがいたら、自分のことを好きになれるんじゃないかと心のどこかで思っているのだろうと思う。
自分が大切にできない「自分」を、他の誰かに大切にされたい。みたいな面倒な想いがあるのだろうと思う。
だから、セフレとかの概念はない。都合いい女にされるのが一番嫌いだ。
自分にとってメリットがある人間としか関わってこないような人生だったな。
会って何も得られないような人間と関わっても何のベネフィットもない。
時間の無駄、交通費の無駄だ。
そういう意味では、ベネフィットなくして自分の時間を割いてまで、会いたいと思える人間なんて、本当にごく少数しかいない。
私はどこに行っても「変わってる」「変人」「不思議ちゃん」と言われる。
私の思考回路そのものが、そう言われる由縁なのかもしれない。
現実主義、打算的、そんな人生だ。
私は性悪説を信じる派だ。
皆、善人の仮面を被った悪魔。
そう思っているし、誰のことも心底では信用していない。
結婚した今ですらも、配偶者を信用していない。だからどこに行くかも、何をしてるかも教えたくない。収入もごまかしている。
結婚したところで、私の根本的な思考や性格が変わるわけではない。
一生、誰のことも信用できないまま生きていくのかなと諦めている。
常に誰かを疑いながら生きていく。
しんどいけど、「信じること」は能動的にできることではない。自然にそうなるものだ。
三つ子の魂百まで、と言うが、幼少期から誰も信用できない環境で育った私なのだから、他人のことなど信用できるはずがない。
一生、誰かを疑いながら、利用しながら、踏み台にして、生きていく。
旦那のこともそうだろう。
そんな人生は、虚しいので早く逝ってしまいたい。
別に誰かに認められるような秀でた才能があるわけでもない、仕事がバリバリできるわけでもない。
私には、何もない。
取り残されて行くだけだ。
つらつらとネガティブ思考の根幹みたいなことを述べてしまったが、つまるところ、やっぱり鬱なんだろう。
鬱の中で、波をウヨウヨしている。
出口の見えない闇ほど、怖いものはない。
入口もわからなければ出口もわからない。
そんな病気を、抱えながら生きている。
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