第81話 薬のこと

2022.6.12

昨日の夜も、フルニトラゼパム(サイレース)を1錠、また1錠と時間差で放り込んでいるうちに、眠ってしまっていた。


サイレースは、眠らせる効果が強いので、昔は海外では昏睡強盗やデートレイプ等々、悪事に使われていた。

そんなわけで、白色から青色に着色された。


着色されてたら、飲み物に混ぜられたらわかるしね。


とはいえ、コーラとか、チャイナブルーみたいな、そもそもが青い色のお酒だったり黒い飲み物には意味ないんじゃね?って思う。


ちなみに、ウトウトとしながら胃カメラする時に使われているのはこのサイレースの注射液だ。

大抵の人は、これでウトウトと気持ちよく、気付いたら検査が終わって、快適となるのだ。


しかし、私は毎日そのサイレースを服用しているので耐性が付いているのか、胃カメラの時に注射されても全く効かなかった。


オエオエと地獄を見て終了。

私は、2度と胃カメラはしないと心に誓っている。


祖父からの手紙を見て、泣いてしまったあたりが、やはり感情がブレやすいというのか、鬱状態なんだろうなと思う。


まぁどんなモードにおいても、祖父を思い出すとやはり悲しくはなる。

血がつながった人間の中で、唯一味方だと思っていたのが祖父だった。


大学の学費も、国公立ならばと工面してくれた。


大学進学の時に実家を出て生活していた時は、私が住んでいる街の天気予報もチェックしていたらしい。


近所の人に、私のことを自慢して回っていたらしい。


唯一の、私の味方だった家族だった。


そんな祖父を思い出して、昨日は、サイレースをポリポリしていた。


結婚はしたけど、所詮は夫は他人だ。「家族」というカテゴリーにいるけど、私はそうは思っていない。


それは、私が誰のことも信じられずにいるからだ。

夫には申し訳ない。

しかし、私の人生において、誰かを信じられる場面は、他の人と比べたら格段に少ない。


血のつながった家族すらも信じられないのに他人なんか信用できるわけがない。 


きっと、これからもそう。


そんなんで、私は結婚生活を続けていけるんだろうか、という疑念もある。

相手にも申し訳ない。


鬱状態になると、そんなことばかり考えてしまう。


きっと、ベースにそれがあって、鬱状態になるとひょっこりはんしてしまうのだろうと思う。


心から信頼を寄せ合うカップルや夫婦には、私は一生無縁だ。


一生誰かを疑いながら生きていくんだ。


だから、仲睦まじいカップルや夫婦が、心から心から羨ましい。


誰にも言えないまま、生きていくんだろうし、幼い頃から培われてきた、人の道から外れた思考もそのままなのだろう。


お金に困れば身体を売ればいい。


一人の人間を一生愛することはできない。


そして、どうしてもつらくなったら、死ねばいい。


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