第2話 回答編

「分かった。チョコとガムでしょ?」

「え! なんで分かったんですか!?」

「昔、ガムの主成分を溶かすのが油分で、チョコにあうるココアバターがそれなんだって」

「へー。勉強になります」

 収録を終えると、音子がため息を吐き、態度を変える。

「まったく、この子、物事知らなすぎでしょ。やっていけるの?」

「すみません」

「まあ、大きな事故があったわけでもないし」

 作家が口を挟むが、不服そうにぼやく音子。

 やっぱり先輩は怖い。


※※※


「へー。じゃあ、仕事は無事終わったんだね」

「うん」

 わたしはよく分からないキャラの抱き枕を抱きしめながら、キャミソール姿で明くんの家にいる。

「まあ、これでも食べて。元気だそう?」

「うん。ありがと」

 明くんはハンバーグを作り、わたしの前に差し出した。

 二人で「いただきます」と言い箸を進める。

 会話も弾み、わたしたちは暖かな時間を過ごした。

 わたし、まだまだ勉強不足なんだ。

 でも、この恋はまだ見せられないなー。

 幸せで顔がほころぶ。


 声優の道のりは長い。でも明くんと一緒なら超えられるような気がした。

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『声優・兄らぶ!』 夕日ゆうや @PT03wing

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