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ひとまず美術室のほうへ向かう。入り口でまた背後からのっぺらぼうが現れ、驚いた拍子に音楽室の鍵を落としてしまう。ほんと君背後から現れるの好きよね。
美術室の中には、明らかに怪しい首から上の石膏像。案の定奥のメモを読み終わったらこちらへ動き出した。しかもメモによればどうやら絵画の方も危ないらしい。ただ対処法はそこまで難しいものではなく、光を当てるだけ。ふあはははは、貴様らの愚鈍な動きなぞダムの底で襲ってきた奴らに比べればノロいノロいわ!
何の収穫もなく美術室を出ると、また交換日記。うん、もうこれ確実にこっちに見せに来てるよね。
内容は北校舎二階のトイレに花子さんが出るとのこと。まあ内容自体はこれまた定番だが、夜廻シリーズの花子さんといえば藁人形をくれるお化けの中でも味方寄りのポジションだったはずだ。寝返ったのか、オレ以外の奴に……! まあネタはともかく同じものでもささやかれる場所と内容によって存在の質すら変わってしまうということなのだろう。妖怪に数えられるようなキツネやムカデなんかは特に顕著な例といえる。
っていうか、花子さんネタなんて序盤の主人公がやってたことじゃないか。ならやんなくていいんじゃないか? そもそもなんで主人公はわざわざ七不思議をなぞってんだよ。あからさまにヤバイんだから関わるべきではないのでは? と思うのだが、まあゲーム的な都合なのだろう。夜の校舎に侵入して職員室から鍵かっぱらって空き教室を開けました、じゃあ尺が取れないのだろうし。残念ながら、まだ抵抗したところでどうにもならないから今は話に沿って進むしかない。
トイレに近づくにつれ、すすり泣く女の子の声が聞こえてきた……あああやめてくれえ……こういう音系は何か視覚とは別のベクトルでぞっとするんだよお。しいて言うなら背筋を直接撫でられているかのような薄気味悪さ。
トイレの入り口は、何もなし。扉をすべて開けるも、何もなし。試しにそのままトイレを出てみても、何もなし。そして奥のトイレに入った時……扉が閉まり、明かりが消えた。再び懐中電灯をつけると、そこには壁一面にべったりと血糊がついていた。驚き、トイレの外へ出ようとするも、床の血だまりから伸びた手に足をつかまれてしまう。
「あそぼ」
これがここの花子さんなのだろう、手しかないのでマドハンドにしか見えないが。しかし交換日記によればここではっきりと断らなければならないようで、選択はいいえを選ぶ。
「あソぼ」
問いかける声が低くなる。画面が赤に染まりつつある。だが古来より、この手のことは途中で日和ってはいけないのだ。
「アソボ」
さらに声が低くなる。だが、断ることへの恐怖はない。怪異の放つ言葉は現世の常識など考慮しない。ただ向こうのルールを押し付けられるだけなのだ。もとより相いれないのなら、それははっきり伝えなければならない。
いやだ、と三度答える。その瞬間、手は引っ込み、花子さんの気配も消えた。ちなみに、三回目のお断りの時にもういやだに変化しないかなと思ったのは後のことである。さすがにここまではコトワリ様も来てくれないだろうが。
次なる目的地は図書室。音楽室の鍵は美術室で落としてから、少なくとも取り戻してはいない。行けるのだろうか? いや行きたくはないが。図書室へ行くと安定の自動ドア。ここの怪談は呪いの本で、見知らぬ本に触るとお化けが寄ってくるというもの。念のため近づかないようにして探索するものの、そこら中に本が落ちている割に全然違いが判らないため、しかたなく触れることに。
現れたのは三体のポルターガイスト……ってお前らかーい! オラァ!バス停前で殺されたリベンジじゃあ! ふはは、対処法さえわかっていれば貴様らなんぞ屁でもないわ。しかしそれが本の数×3だけ出てくるため、もはや気分はゴーストバスターズ。
その途中で興味深い話が見つかった。この学校が立っている場所には昔大きな木があり、それが切り倒されたこと。そしてもう一つ、木から落ちた者が竜宮城みたいなところへたどり着くという、こちらは町の子供ならみんな知っているような民話らしい。原因の一部は見えた気がするが、これだけでは全体を紐解くにはまだまだ情報が足りない。
一番奥の本に、なぜか生徒会室の鍵が挟まっていた。それを取って廊下に出ると、なんか耳がざわざわする。昼間の喧騒のような、複数の者がざわざわと話しているような非常に耳障りな音である。うへえ、と零しながら生徒会室の扉を開き、空き教室の鍵をついに入手。そういえばここまでに見つけた交換日記から、最後の秘密を知るためにこっくりさんをやろうとしていた模様。黒ずんだ5円玉は、おそらくその時のものなのだろう。また、中にあった先生の日誌から学校に来なくなった男の子がいるらしいとのこと。今更だが、おそらくこの男の子は体験版で主人公だった子のことだろう。こうして本編につながるのなら、体験版もやってみるべきだろう。
廊下に出ると、おそらく交換日記のノート。そこにはごめんなさいと繰り返す件の男の子のものと思われる文字と、それをつまらなさそうにしている相手の文章。そして。
『これを読んでいるあなた。今度はあなたが遊んでよ』
ぎゃあああああやっぱこうなるよねええええそういうパターンだよねえええ、いやあああああああ画面閉まったら持ち物画面にあののっぺらぼううううううう! 天丼だけど心臓に悪いんだよおおおおおおおお! やっぱこいつが声の主か!? ちっ、いずれにしろヤツが目と鼻の先にいる以上、今は逃げの一手! 目的の空き教室に滑り込むしかない!
幸い理不尽な速度ではなく、なんとか空き教室に入ることに成功する。そこにはあつらえたかのようにこっくりさんの紙が。なんかやる雰囲気なんだけど、よく考えたら主人公にはやる理由がない。こっくりさんに探し物の場所でも聞くのか? と思いきや、
『あ、そ、ほ、う、よ』
いや、どんだけ遊びたいのさ。まあこの調子だと、前回召喚されてから正規の手順で帰されていないのだろうから、大変なことになってるのだろうが。
画面が変わると、傍らにはあののっぺらぼう。そして窓の外に明らかに人ではないなにかの顔。そして血煙?のようなものに画面が覆われ、晴れると理科室の骸骨に囲まれていた。
まあこれの対処はさほど難しくないため、難なく切り抜ける。が、その先にはなぜか渡り廊下にあるはずの大鏡。今回は目を閉じてもどうしようもなく、あっけなく殺さてしまった。ここで察する、七不思議のボスラッシュかよ! 構造的には深夜廻の幽霊屋敷に近いだろうか。だが、これらは一度突破した怪異。再び切り抜けるのは造作もない! と思っていたら、次の花子さん&石膏像は切り抜けられたものの、その次の動くピアノとポルターガイストに殺されてしまった……。
ピアノは直接見てはいないが、体験版の攻略を見ていた時にそういうものがあるというのは知ってしまっていた。まあ、これも前作にあったギミックであるため、初見だったとしても問題はなかっただろうが。それよりも出てきたポルターガイストに対応しきれず二敗目を喫することに。あいつ嫌い。
三度目のトライでそれも切り抜け、次はのっぺらぼうと対峙。しかしこいつに対しては有効な手段が唯一判明しておらず、初回は炎らしきものに突っ込んでしまって死んでしまった。そのままではどうあがいても抜けられなさそうだったので、試しに目を閉じて歩いてみるとおお、行けた! 後ろにあったこっくりさんの紙を調べる。転移したそれをもう一度調べ……ようやく元の静寂が戻ってきた。
そこでなぜかもう一度こっくりさんをしようとする主人公。しかし五円は社に戻り、次の瞬間こっくりさんの紙は燃えあがって消えてしまった。これでようやく、こっくりさんの一連の儀式は終わったのだろう。攻略には緊張感こそあったが、道中ほどの恐怖はなかった。何をしなければならないかが明白だったおかげだろう。
燃えた後に残っていたのは透明なビー玉。呼び覚まされた思い出は、廃ビルだった。その屋上で、かつて主人公はあの少女に出会っていたようである。ただ、記憶の中に妙な部分が残っており、それが人面鳥が現れるときのものと酷似しているのが気にかかった。主人公自身もその記憶に違和感を感じているらしい。
記憶の中の少女は夕日に向かって写真を撮っており、しかもその場所がフェンスを越えたビルの縁だった。
謎は深まるばかりだが、その先の真実は未だ夜の帳の中にある。
ちなみに、主人公は七不思議のボスラッシュについてからかわれたと感じていた模様。……いくらなんでも神経図太すぎないか?
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