第19話 王の遺言

世弟の悩みの種は側室だけではなかった。

王の体調が悪化するばかりで遂に

寝台から起き上がることも出来なく

なっていた。


「世弟・・余はもう長くない。

よく聴きなさい。王大妃媽媽に

そなたを王にすると伝えた。

現大妃媽媽を王大妃に昇格するのだ。

反発するだろうが、前王の遺言だと

言えばいい。

密豊君も何をするか分からない。

周りに注意を払いなさい」


「王様、私はまだ未熟者です。王様と

共に議論しこの国を豊かにしようと

約束したではありませんか」


「済まない世弟、その約束は守れそうに

ない。天からこの国とそなたの

ことを見ている。任せたぞ延礽君」


「お、王様!王様!目を開けて

下さい、王様!」


世弟の名前を言った後王は他界した。

辺りに鐘の音が響く。国中の人々が

別れを惜しみ涙を流した。




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