第13話 もう一人の男

「やっと帰って来たな」


「はい、密豊君ミルプングン様」


密豊君は朝廷の為に表の顔は

外交使節で清と様々な交渉をしている。

隣にいるのは妻のはなだ。


「あぁ、今からあいつの顔を見るの

憂鬱だな。あの卑しい身分の女から

生まれた延礽君がまさか世弟に

なるとは。世も末だな」


「大丈夫ですよ、密豊君様。私達には

奥の手がありますから」


笑みを浮かべながら酒を注ぐ。

王族を侮辱することは不敬と見なされ

法で罰せられるが、王族は法が適応

されない。財があればいくらでも

揉み消せたのだ。


「今後更に妓女キーセン達を

増やす必要がある。朝廷にいる重臣

どもの弱味を握り、世弟を落とし

入れる。そして俺が王になり

華は王妃になる」


「ふふ、その日が待ち遠しいです。

早速明日から役に立つ女を探して

参ります」


表の顔は外交使節をしているが

裏の顔は清や朝鮮の貧しい女・子供を

拐い、妓女として働かせ金を稼がせていた。


「あぁ、頼んだぞ。俺は今から王宮に

向かう」


正装に着替えた頭、部下と共に王宮へ

向かった。

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