第11話 世弟の気持ち

医官から説明を受けた世弟は眠っている

蘭の側に座り様子を見る。目が覚めた

蘭は世弟に気が付き礼をしようとするが

世弟に止められた。


「そなたは怪我をしている、礼はいい。

スープを掛けた女官は追放したから

安心するといい」


「・・そうですか」


女官の追放は一番重い刑で二度と王宮に

入ることは出来ない。一族も女官試験を

受けることは出来ない決まりがある。


「私はそなたが怪我をしたと聞いて

急いで来たのだ。改めて感じた

私はそなたのことが好きなのだと。

この手で守り、共に生きて行きたい」


「世弟様・・」


「世弟ではなく延礽君と呼んで欲しい。

私も蘭と呼ぼう」


蘭は戸惑い中々名前を呼ぶことは

出来なかったが、世弟に促されて

しまった為少し小さな声で名前を呼ぶ。


「延礽君様・・」


名前を呼ばれた世弟は蘭を優しく抱き

締めた。今まで感じたことのない

感情が心を満たしていた。

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