第7話 初めての気持ち

「朴内官この刺繍を見てどう思う?」


「はい、刺繍に関して素人同然では

ありますが中々に綺麗な物だと

思われます」


蘭が持ち場に戻った後も世弟はずっと

刺繍を眺めては蘭の顔が浮かんでくる。

このような現象は初めてで世弟は

自身に驚いていた。


「あぁ、早く蘭が見たい。このような

高揚感は味わったことがないぞ」


「ならば世弟様、蘭内人を至世尚補さんほになさるのはどうでしょう。

さすれば側にいる口実ができます」


内官の意見を採用した世弟は提調尚宮と

至世尚宮を呼び出し、正式な手続きを行い

蘭は異例の早さで昇格したのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る