第2話 刺繍の練習

数分歩くと、世弟宮へ到着した。

提調尚宮から渡された地図を見て

自分の部屋に移動し、荷物を置いた後

世弟繍房尚宮室へ向かう。


「尚宮様失礼いたします」


「あぁ、よく来てくれた。座りなさい」


元々王宮内全ての刺繍を施していたのが

繍房だったが世弟と王の刺繍は分けるべきだという議論がなされ、世弟の刺繍は

世弟繍房尚宮が取り仕切ることになった

のだ。


「早速今日から簡単な刺繍から教えよう。

二週間後には世弟様にそなたが施した

刺繍を披露する。認められなければ

降格する可能性もある。よいな」


「は、はい!」


蘭は小さな布に梅や桜の花の刺繍を

施していく。最初は歪な形だった物が

半日後には綺麗な花の形をしていた。

色の選び方や縫い方を数時間習った後

ようやく夕食を食べることができた。

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