愛の檻に囚われて
華
第1話 世弟宮へ
「蘭、本日をもってそなたを世弟宮専属の
繍房女官に任命する。誠心誠意世弟様に
仕えよ」
「お役目
ます」
提調尚宮から令を受けた蘭は自分の部屋に
戻り服装を整え、支給された梅の髪飾りを
付け部屋を後にした。
世弟宮へ向かう道中に他の女官達からの視線を浴びていることに気づき蘭は急ぎ足で目的地へと進んでいく。
20代目の王である景宗の異母弟、延礽君が
世弟(次の王)になったことで世弟宮の注目が
集まっていたのだ。
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