エロ地獄の様相-表現の自由も結構ですが、この覚悟はありますか?-

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自己責任の果てに……

 私は今、肉体からが抜け出している状態。

 いわゆる幽体離脱というものだ。


 これから危険な所にいくため、天に応援をお願いしている。

 そして、お二方が護衛並びに案内をしてくれることになり、大変心強い想いでいっぱいだ。


「天使様に、菩薩様、わざわざおいでくださり、心から感謝申し上げます」


「いえいえ、これは大変重要なことですから大丈夫ですよ」

 と天使様が笑顔でお返事をくださった。


 そして菩薩様も、

「お気になさらず」

 とおっしゃってくださった。


「ありがとうございます。それでは、どうかよろしくお願いいたします」

 そうお礼を述べ、お二方の案内の元、下層へと降りていく。



 周りがどんどん暗くなっていく。

 そして、肌寒くなっていくのを感じる。


 菩薩様が、

「これから案内する所は、あそこでよいのですね?」

 と確認してくださったので、

「はい。よろしくお願いいたします」

 と答えた。

 実際には口から言葉を発しているわけではなく、心と心で直接会話をしている。

 テレパシーといえば分かるだろうか?


 天使様が、

「では、こちらの方へ」

 と先に進んでいく。

 私はついていくだけ、想いの世界のため本来はテレポートできるのだが、この下層世界ではそうはいかない。


 ついていくと、えてきたのは血だまりの大きな池。

 近づくにつれ、何かうごめいて視えるようになってくる。

 

「ちゃんとガードしていますから大丈夫ですよ」

 と天使様が伝えてくれる。


「はい。信じておりますので、よろしくお願いいたします」

 と感謝の意を伝えた。



 更に接近していくと、うごめくものはミミズだとわかった。

 それも大量で、凄まじく多い!

 ミミズたちは絡み合って、うごめいている。

 異臭も凄い。

 なんといっても腐った血の池なのだ、臭いのは当然。

 池の形は、女性の子宮のようだ。


「このミミズは?」

 と問いかけると菩薩様が、

「これはすべて人ですよ。もっと近づきましょう」

 と驚くべき言葉を聞いた。


「人? これが人間なのですか?」

 と即座に聞き返した。


「そうです。ここは仏教でわれているですからね」

 と天使様がお答えになる。


 今の段階で既に、

『もうていられない……』

 正直、そう思った。

 だが今回の目的は、まだ果たしていない。



 私たちは血の池に降り立った。

 目を凝らしてると、ミミズはやはり人間だった。

 その姿は、みっともなくよだれを垂らし口からは牙も生やしている。

 しかも裸で……むごたらしい姿だ。


 彼ら、彼女らは、私たちに気づきもしない。

 目の前で男女の営みを、至る所でしている。


「これはひどいですね。よくこんな恐ろしい姿の異性と交わろうなどと思いますね?」

 と疑問を呈した。


 菩薩様は、

「いえ。当人たちは、相手が美男、美女にえているのですよ」

 と説明してくださった。


『なんと哀れな……こんなみっともない姿で生き恥をさらすなんて』

 涙が出てきた。


 その者たちはこちらに気づいても、天使様と菩薩様から発せられる光のため近づいてこない。

 私は、ホッとした。


「それでは、別の区画に行きましょう」

 と天使様が仰った。


「え? 区画があるのですか?」

 と驚いて聞き直す。


「はい。生きてきたときに合わせて引き寄せの法則で集まってくるのですよ。この血の池自体、引き寄せの法則にのっとっているのですよ」

 と丁寧に教えてくださった。



 移動した先は同じ血の池なのは変わらないとのことだったが、様相が違った。

 視ればわかる。

 ここはアダルト動画の撮影現場だ……

 それも、至る所で行われている。


 そこでは、男優と女優、そしてカメラマンに、照明係やレフ板係までいる。

 そして、

「はい。スタート!」

 と号令をかけている者がおり、男女の営みと撮影が開始された。


 私は思わず、

「こんなこと、この人たちはずっとしているのですか?」

 と聞いた。


「はい。そうですよ」

 と無常の答えが返ってくる。


『……』

 返す言葉がない。


 菩薩様が、

「それでは、次を案内しますね」

 と言って移動を始めた。



 今度の区画は、机にパソコン、もしくは紙媒体にも、更にはタブレットやスマートフォンで一生懸命、何かを入力、あるいは書き込んでいる所だった。


 皆、目が血走っている……よだれを垂らしまくり、牙を生やして、時にはほうけながら。


 その区画では、それを読んでいる者たちも、とても数え切れないほど存在していた。

 そして一人で性欲を満たしている……


「本当に分かれているのですね。しかしひどいところだ」

 と言葉がでる。


「ちょっと上空に上がりますか?」

 と聞いてこられたので、

「はい」

 と答え、皆で上昇する。


 上昇の仕方は簡単だ、想えばいい。

 しっかりとイメージすれば体が浮いてくる。


 上昇するして下をると、やはり血の池でウネウネしているようにしかえなかった。


「……哀れですね」

 と言葉がこぼれる。


「はい。私たちも様々な地獄に降りては、彼らや彼女らに説得しているのですが、誰も耳を貸さないのですよ。それでも、やめませんけどね」

 と教えてくださった。


「三か所、視せていただきましたが、こうしたように様々に分かれているのですね?」

 と確認してみた。


「はい。その通りです。地上にいるときに、デリヘリばかり使っていた人はその様に過ごしています」

 と答えが返ってきた。


「それでは、?」

 と疑問が湧いたので、聞いてみた。


「また血の池に降りましょう。そして、よくていてくださいね。これから起こることに驚くと思いますが私たちは安全ですから大丈夫ですよ」

 そう仰ったので一緒にまた血の池に降り、じっと待っていると何やら大きな体格の異形の者たちが、どこから湧いたのか多数現れた。

 その手には、大きな鈍器がえる。


 なにやら、恐ろしい予感がした。

 残念ながら、その予感は的中した。


 その異形の者たちは、そこにいる者たちを……

 次々とその


 悲鳴が響き渡る……

 絶叫が聞こえる……

 頭蓋骨が砕かれる音が生々しく響き渡る……

 まさに断末魔とはこのことだ。

 その者たちは皆、生きたまま頭蓋骨を砕かれ、悲惨な姿と化した。

 言葉にしたくないほどむごいものだ。


「うっ!」

 私は思わず、その場で崩れ落ち吐いた。

 おぞましい、そして恐怖の様相が目の前で繰り広げられる。


「大丈夫ですか?」

 と天使様と菩薩様が、心配してくださったので、

「……はい、大丈夫です。でも、ちゃんとておかないといけませんのでます」

 と答え立ち上がる。


 続いて、

「この人たちは死なないのですか?」

 と思わず聞いて、『あっ!』と思った。

 そうだ。この人たちは、みんな死んだから、ここにいるんだ……


「魂は……いえ、心は永遠の生命エネルギーですから死にません。いえ、死ねません」

 そのような答えが返ってきた。


「では、このままなのですか?」

 と聞くと、


「まぁ、ていてください」

 とのことだったので、そのまま待っていると異形の者たちは一帯を全滅させると、何処ともなく消えていった。

 すると全滅したはずのその者たちは、驚いたことに元の姿に戻ると、また同じことを始めたのだ!


「え? なんで? 先ほど生きたまま頭蓋骨を砕かれ、あまりの激痛に悲鳴を上げ絶叫していたのに、また同じことを始める!?」

 信じられない光景が展開される。


「この人たちは、永遠とこれを繰り返しているのですよ」

 と悲惨な事実を知らされた。


「永遠と……この人たちは地上で言われているように永遠に、ここから出られないのですか? 何か助かる手段はないのでしょうか?」

 と懇願こんがんするように質問した。


 と嬉しい答えが返ってきた。


「あるのですね! 良かった……では、その唯一の手段をお教えください」

 とお聞きした。


「それは、今まで自分がおこなってきたことを心の底から反省し、地上にいたときの全ての過ちに気づき反省すれば天国に還れます。だからこそ私たちは説得しに降りてくるのですが、誰も耳を傾けてくれないのが現実です」

 と説明してくださった。


「やはり生半可な手段ではないのですね。天使様や菩薩様たちの声に耳を傾けず、自分の過ちに気づくのは、ほとんど不可能ではないですか?」

 と聞きなおしてみた。


「先ほどのように痛い目にあった後、こうしたことを繰り返していると冷静になる時があり、その時に周りをて初めて自分は、一体なにをしていたのか気づくのです。ですが、それも一瞬でまた誘惑に負け同じことを繰り返すのです」

 無常な答えだった。


「それでは、一体いつになったらここから出られるのでしょうか?」

 とつぶやくように言葉がもれる。


「その冷静になることを繰り返していると自ら誤ちに気づき反省に入る者が現れます。また、まれに私たちの言葉に耳を傾けてくれるときがあります。そのときは手段を伝えれます。相手も聞いてくれます。ですが、そのあとの反省は自分自身で行わなくてはなりません。もちろん手助けはしますよ」

 丁寧にご説明くださった。


「ここを出れる人たちは、どれくらいの期間、ここにいるのでしょうか?」

 天国に還れる手段をお聞きしたあとは、そのことが気になった。


「早くて10年以上ですね。何十年もざらです。何百年も繰り返している者もいます。自分で誤ちを反省し終えるまで……ね」


「そんなに永く?」


「それが現実です。そして、ここを脱しても、自分さえ良ければいいと自己中心的利己的に生きてきた場合、そうですね例えば自分の出世のためなら他人などどうでも良いと思い、罠にかけたりしていると、それに見合った地獄に行かなくてはなりません。そこで、また反省し終えるまで……ね」


「無常なのですね」


「因果の法則ですよ。善因善我、悪因悪果。そして自己責任です。これは絶対の法則なのですよ」


「……そうなのですね。でも地上で言われているように本当の永遠ではないと知れて良かったです」


「それならば、ここに来た甲斐がありましたね。あとこの人たちは個人としての、そのことばかりに捕らわれ行き過ぎた性欲におぼれた罪ですが、。下手をすると


『!!』

「死んでからしかダメなのでしょうか? 地上にいるときに、何とかならないのでしょうか?」

 次に湧いた疑問を口にした。


「可能です。それは同じ手段です。自らの過ちに気づき心の底から反省することです。心からの反省は、涙が出てきます。それは、もうあふれんばかりにね。子供のころ、泣くと涙が滝のように流れ視界がさまたげられる経験はありますでしょ? あのような感じで涙が溢れ出てきます。そうでない場合、本物の反省ではありません」


「手段をお教えくださり、ありがとうございます」

 私は感謝を伝えた。


「それでは、もう充分ですかね? 還りますか?」

 と確認くださったので、


「はい、もう充分です。お聞きしたいこともお教えくださいましたので、ありがたいです」

 そう答えた。


「では、還りましょう。送りますよ」



 こうして地上近くまで還ってきた。


「あなたは、この現状をてきて、これからどうしますか?」

 と質問がとんできた。


「はい。血の池の惨状を伝え、そして堕ちる人を減らしたいとおもいます」

 と答えると、天使様と菩薩様は満面の笑みになった。


「支援しますから、頑張ってください」

 心強いお言葉を頂いた。

 その後、私は天使様と菩薩様に今一度感謝を伝え、別れた。


 そして、私は目を覚ますと、

『さてと、ひと仕事しますか!』

 と決意した。

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