第37話⁂葵の行方!②⁂
2015年4月某日のあの日、椿辰也と麗奈夫婦らしき2人に依頼されて、直樹と美咲は〔オオカミ怪人〕葵たる人物の居場所を懸命に探すが、どこにも居ないのでひょっとしたら〔オオカミ怪人〕葵に危険が迫っているかも知れないと思い、今度は〔オオカミ怪人〕の両親の元に向かった。
てっきりご夫婦かと思いきや愛人宅だったとは、一際立派な邸宅なので愛人宅だとは思わなかった。
昨今の少子高齢化や家庭事情に伴い、多くの住民が入れ代わり立ち代わりしている現状化、中々近所と言えども把握できない人たちが殆ど。
たまたま木村さんを知るご近所さんの話で愛人さんだという事が分かり、30年ほど前に毛むくじゃらな坊やが居たと言っていたが、母親の話では「そんな毛むくじゃらな坊はいません。」との回答だった。
「直樹、どうして坊やはいなかったなんて、白々しい噓をつく必要が有るのかしら?」
「あぁ~?だって多毛症じゃないのだから当然そう言うよ。傷を隠すためにライオンの着ぐるみを被っていただけだから……それから……やはり男の子の葵が、もうこの世にはいないって事なのかな~?だから……思い出すのも辛くて………そこで娘同然の夏美を娘と言っているのかも知れない。だって夏美はしょっちゅう顔出していたのだから…また浩二の子供だからそう思っているのかな?」
「調べた結果、あの愛人は水商売をされていたらしいけど……何か胡散臭い?そう言えば柳田組長とも、クラブホステス時代の知り合いらしいじゃない」
「エエエエ————————ッ!それは聞き捨てならぬ!何かあるな~?」
「でも確かに、こう言っていたわよ『誰か別の人と勘違いなさっているのではありませんか?うちの子は、確かに木村葵と言いますが、そんな変な多毛症なんかではありません。それから……要件は何ですか?何か法に反する問題でも起こしたのでしょうか?』」
「何故母親は、アオイの事を話したがらないのか?そして…大切な我が子が居なくなったと言うのに……いかにも迷惑そうにしていたが、普通は我が子が居なくなれば、それこそ…死に物狂いで探そうとする筈だが………只々その話に触れたくない。そんな感がヒシヒシと感じてきた。全く酷い話だが、確かに我が子をいなかった事にしようとする意図がヒシヒシと感じる………母性の欠片もない女なのか?誰かに脅されているのか?」
「母親が水商売をしていた?更には柳田組長ともクラブホステス時代の知り合いらしい……そこで……今でも何らかの形で、繋がっているとしたらどうだろう?………そう言えば、奥多摩湖近辺の寂れた民家に、身寄りのない子供や、奇形の人間を集めて海外で金儲けをしようと目論んでいる悪徳業者が居るらしいが、柳田組が関わっているらしい………どうも中国のサ-カス団に売り飛ばしているらしいという事を、チラッと聞いたことがある………なんてったって中国は人口も多いし、巨大なマーケットだから需要はあるらしい。それから……35歳にもなると言うのに働きもしないで、親の顔さえ見ればお金をたかるか、酷い言葉を吐くか、暴力を振るうか、とんでもない息子の将来を儚んで、売人の上手い話に載せられ、丸め込まれて葵を手渡したという事は十分に考えられる………だが、優秀な葵はやはり医学の勉強に取り組んでいたらしい。という話も漏れ聞こえて来る。だから……その話は違う。どうも最近本妻光代が、お金の出所を厳しくチェックするようになり、愛人に渡すお金も滞っているらしい?…さほど成績優秀でもないのに………それでも医師になる夢は諦めきれていない。あんな醜い葵が医者になんかなれる訳が無い………ましてや医学部はお金がかかるので醜い姿の葵を、柳田組長に相談した。こうして売り飛ばす事になったという事も考えられる………だが、俺も色々調べたが、居なくなった時点からの飛行機の搭乗者名簿には一切葵君が載っていないんだよな~?」
「飛行機で行かなくても行く手段は幾らでも有るわ。何も飛行機だけでは無いから?船とか小型ジェット、プライベートジェット等々が有るわ。それより、酷い女!事故で取り返しが付かなくなった容姿を、可愛そうに思い助けるのが普通なのに、サーカス団に売るなんて?あの母親も子供より自分が一番かわいいのね?」
「本当にその通りだ!それから……全部調べたが、葵君が乗った形跡は無いんだよ」
「やっぱりもう亡くなっているのかしらね?それでも誰が葵君を消したのよ?消した目的は何?」
「そこなんだよな?消される目的、それは「そんな所になんか行くもんか!」と言って拒否して暴れたか?それともやっぱり障害児・者施設〔レインボ―🌈〕での事をもっと掘り下げる必要があるな?」
「そうよ!絶対に障害児・者施設〔レインボ―🌈〕での一連の行方不明事件や過去の15人殺傷事件が関係しているのよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます