第38話⁂翔の危機!⁂
世の中には千差万別、色んな人種や人々が存在する。
この日のパ-ティ―は、仮面舞踏会と銘打って富と才能は有るが、不慮の事故で障害を負ってしまった人々や、先天性の障害は有るが、才能と富の備わった人々の為の出会いのチャンスを提供する事業を展開している。
あの日仮面舞踏会に招待されたメンバーは、男性20名、女性20名。
日本でも有名な日用品メ-カ-〔プリンス〕の菊池淳四十歳は、父親が社長を務める日用品メ-カ-〔プリンス〕の副社長であるが、実はドライブマニアで二十代の頃ドライブ途中に事故に遭い、片足が義足なのだ。
更に目は義眼である。
傍目には憧れの対象でしかないミュ-ジシャンの矢口謙太は、色覚が一般とは異なる色覚障害(色覚多様性)
その為(色覚障害、色盲)運転免許証は持っていない。
更には(ADHD)不注意、集中力がないなどの多動性・衝動性(落ち着きがない、順番待ちができないなど)の発達障害を抱えている。
こうして女は腐る程寄って来るのだが、運転することも出来ず、更には殺人的なスケジュールをこなすので精一杯で、個人的にデートも出来ずに、このマッチングパーティーに登録した。
そして…知的障害ではあるが、色彩豊かな作風で有名な画家、田村洋介。
彼は友達である田所社長から声を掛けて貰い参加した。
その他の男性軍は、障害はあるが元々の資産家の御曹司や、会社経営の御子息など、その他諸々の男性陣が招待された。
一方の女性軍は、天涯孤独の訳有り女性達ばかり。
あの仮面舞踏会の日、女性達は皆、目は虚ろになり立っているのも、ままならない状態に追いやられて、更には眠気を催す者まで現れ、大変な状態となった。
こうして招待客の男性達に介抱して貰い、タクシーで夜の摩天楼に消えた女性達。
◆▽◆▽◆▽◆▽
どれだけ時間は過ぎただろうか?
有る部屋の一室に連れて来られた女性軍は、ようやく眠りから覚めた。
だが、そこには柳田組長と翔がいるではないか⁈
「キャ-ッ!コッ怖い!ここは。どっどこですか?」
「ここは?ここは?どこ?どこですか?キャ————————ッ!」
女性達は口々に悲鳴を上げ命乞いをして、逃げ惑っている。
「ウッフッフッフ~!ワッハッハー!あぁ~?お嬢様たちやっとお目覚になりましたか?あなた達にはこれからタップリ、その若さで稼いでもらわないと」
「イイ一体!ドッドドどんな仕事をさせられるのですか?」
「それはだね~?その身体で男を喜ばせ稼ぐという事だよ。ワッハッハッハ~!翔お前は本当によくやってくれたな~!さすが私の息子だ!」
「キャ———ッ!そっそんな事、そんな事、絶対にイヤだ————ッ!」
実は…ベンチャー企業BEST社長田所は代表取締役に名前を連ねているが、名前を貸しているだけで、実質上の経営者は反社会的勢力の柳田組が経営している。
それでは何故柳田組は、このようなフロント企業を作る必要が有ったのか?
醜くなってしまった翔の為なのか?
暴対法【暴力団対策法:市民生活や経済活動を侵食する暴力団の封じ込めを目的とする法律で、1992年(平成4)3月施行】などで暴力団に対する締め付けが益々強化されている昨今、巧妙化するフロント企業
現在、暴力団に対する取締が強化されているので、正業を営んでいる反社会勢力が増加している。
フロント企業であっても、従業員が一般人の場合が多く、反社会勢力とのつながりが簡単にわからないケースが多い。
また、実質的支配者として反社会勢力が関与していたとしても、事件捜査が入らない限り、発覚しない場合がある。
日本では、法人の株主や出資者を公開する必要がなく、法人登記簿にも詳しい情報が入らない為、フロント企業を作りやすい環境にある。
反社会勢力側も、規制が強化されたせいで、益々フロント企業の影に隠れるようになってきている。
◆▽◆▽◆▽◆▽
2015年6月某日東京都内の超豪華ホテル、〔スカイブルーホテル〕で仮面に素顔を隠した状態で交流を楽しむという、何とも非日常的な仮面舞踏会『マスカレード』が開催された。
それから……遡る事20年前の事である。
夏の暑い、あの日の事件は今も忘れられない。
7月初旬の、もう直ぐ待ちに待った七夕会がやって来る。
そう思い皆でいそいそと、七夕飾りに精を出していた。
例年この施設では、皆で計画して色んな出し物をやっていた。
{皆で短冊に願いを込めて、それこそ7月7日の七夕会の日を、今か今かと待ちわびていたっけね~・・・まさか七夕🎋会の日に、あんな事件が起きるなんて?あんな事件さえ起こらなければこんな事には………}
✿・*🌻。.:*: ⋆🥀*・'°☆*⋆🍃
仮面舞踏会に招待されていた知的障害の画家田村洋介や発達障害のミュ-ジシャンの矢口謙太が入居していた施設は茨城県笠間市の、とある森深い山々に囲まれた景勝地に立って居た。
近辺には北山公園があり、360度パノラマの展望台があり、四季折々の花々が咲き誇り春には桜が、秋には紅葉が楽しめる自然豊かな公園。
また白鳥湖は、新緑や紅葉など四季を通して美しい景観を見せてくれて、白鳥の優美な姿が鑑賞できる。
そんな自然豊かな場所で事件は起きた。
そう!忘れもしない20年前の7月7日の🎋七夕の日
午前10時から🎋七夕会が始まり、色んな演目の後の美味しい昼食。
こうして、楽しい七夕🎋会もお開きになった。
夜は北山公園のホタルをミュ-ジシャンの矢口謙太、知的障害の画家田村洋介、それに性同一障害の麗奈と葵で出掛けた。
七夕の笹がさやさやと音を立てて風に歌い.:*:'°☆⋆
闇夜にささやかな淡い光が、火の玉のようにゆらゆら揺れていたかと思うと、今度は一気に幾千たる螢の乱舞☆*⋆✿・
それはまるで闇夜に幻想的に舞う桜吹雪のようでもあり🌸。.:*:
写真に映し出された無数のほたるの曲線美と美しい映像美———
それはまるで、流れ星が四方八方から怒涛の嵐*⋆それはそれは✨✨狂喜乱舞して眩いばかりの美しさ*。☆・
4人は蛍の美しさを堪能して施設に戻った。
だが、まだ夜の8時だと言うのにだ~れも居ない。
いつもだったら遊戯ル-ムには子供達で溢れ返っているのに、どこに行ったのか?
「ギャアアア————————————ッ!」
「一体コッこれは何だ?」
するとそこに肢体不自由児の6歳の康太が、血を流して無残な姿でもう既に、息絶えていた。
更には奥の部屋には複数の児童が見るも残酷な状態で、刃物で刺され血を流して完全に息絶えていた。
そして…辺りは血の海と化していた。
「エエエエ————————ッ!コッこれはどういう事⁈」
◆▽◆▽◆▽◆▽
翔が障害児施設に移ってから暫くして、障害児施設〔レインボウ🌈〕の出身者である発達障害のミュ-ジシャン矢口謙太、当時17歳から奇妙な事を聞いた。
「過去に起きた恐ろしい事件で、15人殺傷事件知っている?それから施設の仲間が最近知らぬ間に行方不明になって居るんだ。一体どうなっているの?、助けてヨ!翔兄ちゃん!」
「……俺も過去の15人殺傷事件は、不審に思っているんだ?それから……今回は行方不明?エエ————————ッ!一体どういう事ヨ?誰かが虐めて、それで辛くて逃げ出したって事は無いか?」
「そんな事は絶対無い!皆、障害が有って自分の事で精一杯だから……」
「じゃ~俺はヤケドだけで、どこも悪くないので出歩く事が出来るから、探ってみるね?」
一体何が有ると言うのか?
次から次へと消えている施設の子供たちは何処に?
こうして……施設を見張り出した翔。
だが………これに異を唱えたのは誰有ろう姐さん。
翔に危機が迫って————
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