第18話⁂事件の模索!⁂
東京都台東区浅草に有る〔OUGI探偵事務所〕でのひとコマ。
『東京大学は日本の最高峰大学で、超優秀な集団である事は皆様もご承知の事と思います』
当然超優秀な人達の集団なのだが・・・中には、ちょっと変な人が居るのも確か。
学歴が最大の武器かつアイデンティティー。
『今日もお客様との会話が漏れ聞こえてきました。チョットお耳をお澄ませ下さいませ』
愛する猫の大福が迷子になったので、探して欲しいと駆け込んで来た愛猫家の大工の棟梁。
「タッ助けてくださ———い!ダッ大福が昨日から行方不明で!ナッ何とか助け出して下さい!」
「ハイお任せ下さい!・・・ああ!依頼主様ちなみに大学は、どちらですか?」
「…………」
その質問にブス————ッ!とした顔で無言で応戦するお棟梁。
実は…この棟梁現在60代、腕一本でこの荒波を生き抜いて来た苦労人。
中学卒業と同時に成績の良くなかった棟梁は、子供のいない親戚の大工の親方に弟子入り、やっと今の地位を築いた。
そんな学歴コンプレックスの棟梁を他所に、尚も畳み掛ける直樹。
「ああ!ちなみに僕は東大卒です。んまぁ~!大した事はありませんハッハッハッハ~!」
結局は『KY』空気が読めなくてお客さんは去って行く。
これの繰り返し。
たまりかねた美咲が、テ—ブルの下で腕を抓っているが、気が付かない。
それでも…この直樹は、一見『KY』空気が読めない変わり者だが、天才的な集中力で、これから色んな難題に直面するが、成果を上げて行く。
◆◇◆◇◆
東京表参道にあるベンチャー企業〔BEST〕の社長で仮面舞踏会の主催者でもある田所社長と知的障害の画家田村洋介は親しい友人。
更には高名な医師と椿辰也は兄弟らしいが………?
「エエエエ————————ッ!高名な医師と葵が兄弟?」
辰也と葵は同一人物で、患者として長期間診療に当たって貰っていただけなのでは⁈
「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!一体これはどういう事?益々分らなくなって来た?」
「おお!な~んとなく見えて来た気がする。あの胡散臭い社長達や著名人連中の周りで起こっている摩訶不思議な出来事………あの連中の本当の姿は一体………?うぅ~ん?何かヒシヒシと感じて来るこの胸騒ぎ(自己決定できない人や身寄りのない女・子ども,精神障害者・知的障害者・身体障害)そういう弱い立場の人達が、次から次へと消えているという事は…やはり犯罪の匂いがするな~?サーカス団や売春組織、更には臓器売買目的としてさらわれた。という事も十分に考えられる?」
「直樹の考えは斬新だけどチョット飛躍し過ぎじゃないの~?」
「イヤ!少しでも怪しいと思ったら徹底的に調べて行く必要があると思うよ。それから…確か?怪しい社長辰也とされる人物で先天性多毛症の葵なる人物は、自分の苦労した経験から医師になる夢が有った筈だったよな?って事は兄弟揃って医者という事も考えられるが、高名な医師は葵かも知れない?」
「直樹!それは飛躍し過ぎだって——!…そう言えば知的障害ではあるが、色彩豊かな画風で有名な画家田村洋介38歳と、ベンチャー企業BESTを展開するする若き起業家で、仮面舞踏会の主催者田所社長40歳は友達で、声を掛けて貰いあの日、仮面舞踏会に参加したのだが、幼少期に障害者施設に入所していて、その時に障害者交流会の席で、田村洋介と先天性多毛症の葵は、聴覚障害のお友達?と一緒に就職活動目的で来ていて、田村洋介と会っていたらしい。更には当時15歳の性同一障害の、あの美しい椿辰也の妻と名乗る麗奈も来ていた・・・って事は、あの仮面舞踏会が開催された裏には、想像も出来ない何かが隠されているという事になるわね?主催者と招待客には何か秘密が有るに違いないわね?」
「何から何までがクエスチョン?????続きなんだよな~?そういえば行方不明になった女子高生だが、どうも大阪西○地区での人さらいは常習化しているらしい。人さらいによって売買させられた女子高生達の相場は20~40万円になるらしい。そのターゲットは10代の少女、女子高生などで、白昼堂々とワゴン車で強引に引き込む単純な手口で、売り飛ばされているらしい。やはり………闇のお金が動くところにはヤクザが存在するらしいが、どうも…その受け皿となって居るのがあの柳田組長らしい………恐ろしい話だが、人間と言う者はお金に目が眩めば、どんな事でも出来る一面を併せ持っているという事になる………だから、あの奥多摩湖付近の寂れた民家で見掛けた、ダルマ人間や小人人間が中国のサーカス団に売られていたとしても………不思議ではない。という事は、あれだけ努力家であった先天性多毛症の葵も、もし徹底的に調べても見つからなければ、中国のサーカス団に送られた可能性は十分に考えられる。あの柳田組長がこの事件にも関わっている事も十分に考えられる?」
この事件の落ち所はどこになるのだろうか?
全く見えてこない闇。
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