第11話⁂隠された秘密!⁂
寺内琢磨は何故こんな立派な豪邸の、養子になることが出来たのか?
この豪邸の持ち主である社長は、一体どんな会社を経営しているのか?
疑問に思う琢磨なのだが、一変して保護観察官の方は、何かやけに含み笑いを浮かべて{という事は安心出来る義父母に違いない}小さい頃から楽天的に考える癖のある琢磨は、勝手に都合のいい解釈にすり替えている。
自宅は、まるで中世の豪邸のようだ。
{塀が異様に高い!どうしてだろう?門まで距離あるな~!}
厳重な門構えの、門に辿り着くまで天然石を敷き詰めたような、優美な玄関アプローチ
{豪邸のまわりは西洋風のお洒落な木々や美しい花々が咲き誇り、森に囲まれているようだ。一般住宅と比較してもひときわ大きい!な~んか厳重過ぎて全く家の様子をうかがい知ることが出来ない。更には立派な監視カメラがいくつもついてる!}
保護観察官の藤本と琢磨は顔を見合わせて、只々余りの立派さと異様な厳戒態勢に呆気に取られている。
想像を絶するお金持ちである事は間違いない。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「それにしても偶然にも、あのような殺人事件が起きるとは、、、、ワシ等が、うっかりとしていたのも有るんだが???だから、藤本さんあの子をどんな事をしても我が家に連れて来てくれ!褒美はたっぷりと弾むから!」
あの母殺害事件には何が隠されているのか?
とんでもない裏がありそうだ?
「ソッソそんな事を言われましても?公務員の身の上なので、そのような事は出来ません。お許しください」
「今更何を言っているんだい。もう君は逃れられない。今更ワシ等の秘密を知ってしまってタダで帰れると思っているのかい?」
実は…この藤本国家公務員の身でありながら、この社長には大層可愛がられている。
一体どういう事なのかと言うと、この藤本は以前から社長と懇意の中で、社長に頼まれて一番最初に少年院上がりの18歳の少年を、この柳田社長のフロント企業に紹介した事が有る。
そこはパチンコ店で茨城県に2店舗ある、柳田組のフロント企業らしいのだ。
実は…この社長は、日本有数の指定暴力団柳田組のトップで柳田組長。
現在は本業は当然の事ながら、指定暴力団柳田組の仕事が主だった仕事だが、取り締まりが厳しく、その為気付かれ難いフロント企業も多数抱えている。
★ヤクザの出世方法
多額の上納金を上納
↓
評価が上がり出世
↓
配下の組員が増える
↓
配下の組員から上納金が増える
↓
更に裕福に
↓
更に多額の上納金を上納
↓
更に出世
上記のように、法を犯したり法ギリギリの悪業で稼いだお金を、上納金(稼いだお金を上司に納める)として納める事によって徐々に出世して行く(ピラミッド型になって居る)。
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『シノギ』(ヤクザ達の収入を得るための手段)
★ヤクザの仕事・①覚醒剤の販売
コカイン、覚せい剤、大麻、MDMAが大半を占める。
★ヤクザの仕事・②賭博、ノミ行為
許可を得ていない賭場を開設してお金を賭けて儲けを得るのも、ヤクザの代表的なしのぎの1つ。
漫画やドラマに出てくる闇カジノのようなものから、公的に行われているスポーツの勝敗を賭けの対象にするスポーツ賭博まで。
★ヤクザの仕事・③民事介入暴力
「民事不介入」という言葉があるように、民間人同士のトラブルに対して警察は介入出来ない。
民間人同士のトラブルの場合、ヤクザにお金を払って介入してもらうケースがある。
★ヤクザの仕事・④行政対象暴力
行政機関に対して圧力をかけて権力を握る、直接お金を脅し取るというのが行政対象暴力。
例えば公の建造物を建てる場合に出入りする業者をヤクザが指定したものにさせられる、ヤクザが売りつけに来た機関誌を無理やり購入させられる。
★ヤクザの仕事・⑤用心棒の依頼
飲食店などからいわゆる「ショバ代」として支払われるみかじめ料。
みかじめ料を支払うのはスナックやキャバクラなど客と店の間でトラブルが発生する可能性がある店。
みかじめ料を支払う代わりに、客が店の中で暴れた、店員にストーカー行為や暴力行為を働いたという事件が起きた場合、ヤクザに助けてもらう。
一般的にみかじめ料として飲食店がヤクザに支払うのは毎月5万~10万円。
★ヤクザの仕事・⑥テキ屋
テキ屋とはお祭りなどに出る露店を仕切っている団体のこと。他の団体に出店させないように圧力をかける。
★ヤクザの仕事・⑦偽ブランド品販売・輸入
偽ブランド品を中国などから仕入れるのではなく、部品だけを海外から仕入れて、国内で組み立てて販売する事も有るヤクザ
★ヤクザの仕事・⑧キャバクラ・風俗店経営
キャバクラや風俗店の背後には、ヤクザなどの暴力団体がついていることが非常に多い。
★ヤクザの仕事・⑨密猟
ナマコは手作りの道具でも簡単に捕まえられるうえ、中国の富裕層が高値で乾燥ナマコなどを購入してくれる。
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★何故フロント企業を作るのか?
現在は反社会勢力と言うだけで風当たりが強い。
何かの事件をきっかけにフロント企業であることが報道されたりすれば、反社会的勢力側からすると、当然そのフロント企業は使えなくなる。
その為、解散して全く別の代表者で別の会社を設立するか、元々あった会社を何度も移転登記したり、役員変更登記をしたりして、過去の痕跡を消して再度経営するしかない。
したがって、複数回の変更登記で過去を分かりにくくすれば、一般人の目を欺くことはできる。
こうして再利用の会社が活動している。
◇◇◇◇◇◇◇◇
藤本は、最初は全く反社会的勢力企業と知らないで、少年院上がりの子供達を紹介していた。
だが、高級クラブなどでの接待と賄賂など、散々良い思いをした藤本は、柳田組長が日本最大級のヤクザ柳田組の組長と分かりながらも、その後も少年たちを柳田組のフロント企業に送り込んでいたのだ。
そして相当額の接待と賄賂を受け取っている。
要はズブズブの関係。
何故公務員とも有ろう者が、見付かればタダでは済まない事は、痛いほど分かって居るにも拘らず、そんな話に乗ったのかと言うと、この藤本無類のギャンブル狂なのだ。
借金で首が回らない。
その為にこんな裏家業に手を染めてしまった。
この寺内琢磨の母殺害には想像も付かない裏が有るのだ。
母殺害事件は恐ろしい事件の、ほんの序章にしか過ぎない。
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