12話

夕方・・・・・・

em「っと、話し込んでたら暗くなり始めましたね・・・」

ren「今日はありがとうございました。何ならもう一個テント立てるんで、泊まっていきますか?」

em「お気遣いありがとうございます。ですが、大丈夫ですよ。」

ren「そうですか、分かりました。僕はここに3ヶ月ぐらいいるので、また来てください。」

em「ええ。また来ますね。」

そう言ってエーミールさんは帰っていった。

異世界生活95日目

 エーミールさんに会った。すごく博識で、お話するのが楽しかった。僕の考えを真っ向から否定せず、尊重してくれる人だった。こういう人が僕の世界にも多く居たら僕はあんな事を願わなかったのだろうか。

収入・支出 なし

残金 1ラフテ6フラ40ラテ

朝・・・・・・

kn「ヒスイ〜!!おはよ〜!!」

ren「うわぁっ!!コネシマさん!?お、おはようございます?」

大きい声で起こされたので起きると、コネシマさんとエーミールさんが居た。

kn「エミさんの言った通りやったやな!」

em「すみません。コネシマさんにどこ行っとったん?エミさんからヒスイの匂いがする!と言われ、話すしかなくて・・・」

鼻が効くのか・・・コネシマさん。って、種族何よ!?

ren「エーミールさん・・・まさか全員には、言ってませんよね?」

em「多分・・・聞かれていなければ。」

ren「盗み聞きされる方がいるんですか・・・」

em「はい・・・」

ren「まあ、それに関してはもう何も言いませんから、大きな声を出さないでください。」

kn「何でや?」

ren「こうなるからですよ。」

ものすごい音を立ててコカトリスの群れが襲ってきた。

kn「はぁ!?なんでこんなとこにコカトリスが!?」

ren「ここは魔の森と呼ばれる所。やばい魔物の巣窟ですよ。」

em「一応、こちらの冒険者も狩ってはいるんですが・・・一向に減らなくて。」

ren「そりゃあ、そうでしょうよ。瘴気は、絶対になくなることはないんですから。では、あれを狩りましょうか。今日の昼と夜はコカトリスのお肉ですね。」

美味しいお肉を食べるため、双剣を構える。

em「コカトリスを食べるんですか!?毒吐きますよ!?」

ren「血抜きすれば、お肉は食べれますよ、っと!」

エーミールさんの質問に答えながら、コカトリスの尾と頭を落とし、木の側に穴を作って、太い枝に糸で吊るしていくのを繰り返していく。コカトリスが居なくなった巣から卵を奪ったら、収納異空間行きだ。

kn「・・・・・・何もする間もなく終わった。」

ren「コカトリス戦は、毒吐かれる前に狩るのが鉄則なので、長期戦はおすすめできませんね。僕、一回死にかけましたので。まあ、耐性が高すぎますから、死なないですけど。」

吊るしたコカトリスを収納魔法で収納し、その中で血抜き、解体をする。血と内臓は結界魔法で被膜に入れ、消滅魔法で消滅させた。

ren「これでよし。」

em「急に静かになったのでびっくりしました。何してらしてたんですか?」

ren「ああ、収納異空間内で血抜き、解体、血と内臓、尾の処分ですね。これ、イメージが必要なので、黙って集中してるんですよ。」

em「そうだったのですね。血を浴びて毒でもくらったのかと思いました。」

ホッとした顔をするエーミールさん。心配し過ぎでは?

ren「心配しすぎですよ、エーミールさん。さっき言ったでしょう。僕は耐性が強いから死なないと。」

em「でも、毒をくらえば苦しい思いをするのは貴方ですよ!?」

kn「そうやで!どんなに耐性があっても死ぬ時は死ぬんやで!?」

ren「大丈夫ですよ。僕は死にませんし、死ねませんから。では!この調子で他の魔物も狩りましょう!行きますよ、コネシマさん、エーミールさん!」

僕はテンションが上がってしまい、夜まで狩りに付き合わせてしまった。

夜・・・・・・

ren「本当に申し訳ございませんでした。」

コネシマさんとエーミールさんに土下座をする。狩りの獲物は解体され、お肉となって収納異空間に入っている。

kn「まさか夜までぶっ通しで狩るとは思ってなかった。」

em「体力の無さを思い知らされましたよ。」

僕は一度集中するとかなり長い時間ぶっ通しでやるので、一人の時以外はやらないと決めていたのに。お二人にご迷惑をおかけしてしまった。

kn/em「「でも、たのしかったで!」ですよ!」

顔をあげると、二人の笑顔が見えた。

ren「また、一緒に狩りをしましょう!次はちゃんと休憩しながら!」

em「ええ。次こそは休憩しましょうね。」

ren「っ!・・・・・・あ、帰れますか!?僕が付き合わせちゃったので、送りますね!」

kn「いや、ちょっと待・・・」

ren「彼らを我々国の城に、ワープ・ゼアー。」

コネシマさんとエーミールさんを強制的に国に帰らせ、一人になる。なぜなら、人がこの森の入り口付近に迷い込んだからだ。僕はそこまで走る。

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