zm side 8話

ren「いや、ぶっ飛ばされた時、僕死ぬかと思いましたよ。」

zm「俺とやろうや!」

ren「ちょっと待って下さい。我が疲労と傷を癒せ、ハイヒール。」

ポゥ・・・

いや、どんだけ魔法適性持っとんねん。

ren「じゃあやりましょう、ゾムさん!」

tn「開始っ!」

ガキンッ!

ren「おわっと!」

開始早々俺はあいつの首をナイフで狙って投げた。双剣で防がれたが。

zm「お前凄ぇな!大体の奴らがこれで終わるんやけどなぁ・・・」

ren「他の方と一緒にしないで頂きたい!これでも僕は暗殺者の前に冒険者なのでね!」

zm「そうやったんかぁ。それやったら、楽しめそうやな!」

会話しながらナイフと双剣が交わる。攻撃に徹してはいるが、全部防がれる。

zm「攻撃せんと終わらへんよ?」

ren「分かってるんですけどねっ!」

攻撃をされたけぇ、防ぐ。あまり攻撃はしてこないが、一撃一撃が重い。

ren「あんま使いたくなかったんですけどね!これは。」

ブンッ!

距離を取られ、あいつは杖を大鎌に変化させていた。

kn「使わないんじゃないのかよ!」

コネシマが講義してるなぁ・・・

ren「使いたくないですよっ!ですけど、防戦一方より攻撃に徹する方がずっと良いですからね!」

大鎌での攻撃は双剣よりも早く、紙一重で避けるのが精一杯や。ただ不覚にもその姿が綺麗と思ってしまったんは仕方のないことやろう・・・

ren「っ・・・・・・!」

何故かあいつは顔を赤くしている。

zm「顔赤いで?」

そう言った事を少し、後悔した。あいつの雰囲気がガラッと変わってもうたからや。

ren「Damse inl Distress(ダムゼル・イン・ディストレス)はいない。もういいかい?」

zm「ああ”?」

何を歌っとるんや?その声をずっと聞いていたい・・・

ren「嗚呼・・・詠唱崩壊 劣等人間 サヨナラだ。」※スーサイドパレヱドの一節

ブンッ!キンッ!

トントンが刀であいつの大鎌を止めとった。あのまんまやったら死んでしもうとったんやろうか。

tn「終わりや。ゾム見てみい、戦意喪失しとうやろうが。他の奴らも殺気に当てられて臨戦態勢になっとるやろうが。」

ren「えっ、あっ!すみませんでしたっ!」

そう言ってあいつは俺らに対して土下座しよった。楽しかったしええんやけどな。

zm「・・・・・・・・・やっぱ凄いなぁ!」

ren「本当にごめんなさい!・・・え?」

俺の言ったことにあいつはびっくりしとった。

tn「土下座せんでええよ!?」

os「色々やりすぎやめぅ・・・」

トントンたちも許しとるようやし、ええんちゃうんかな?

gr「そう言えば、お前は誰に言われてここに来たのだ?」

ren「えーっと、王族からの君等の殺害依頼書だから・・・国王ですかね。ほぼ死にに行けって感じでしたけど。」

言って大丈夫なんか、それ?

ut「女の子になんてことやらせるんや!」

鬱がちょっと怒っとるな。

ren「で、僕帰っていいです?依頼を失敗し、死にかけで帰ってきた・・・みたいな感じで。」

tn「それ、ヒスイは大丈夫なのか?」

ren「大丈夫ですよ。僕が強いのはギルマスのお墨付きですから。だから、僕より貴方らの方が強かったってだけで済むので。」

tn「ならええんやけどな・・・」

ren「まあ、トントンさんの心配は最もだし、他言無用の依頼を失敗したので殺される可能性は高いでしょうけど、そこらの暗殺者に殺されるほど弱くはないので。あの国追われたらこっち来てもいいですか?」

こいつといるのは楽しいからな。断る理由もないやろう。

gr「いいゾ!歓迎しよう!」

ren「ふふっ。良いんですか?言わば人間のお尋ね者ですよ?次こっち来る時は。」

gr「逆に丁度いいぐらいだ。」

差し出せばいい関係を築けるかもしれないが・・・・・・こいつを奪われるくらいならそんなものはいらんな。

ren「そうですね。じゃあ、またいつか。ワープ・ゼアー。」

あいつは別れの言葉を言い、移動魔法を使って宿へ帰った。

tn「あ、ヒスイから髪色と目の色変えてる理由聞いてなかったわ。」

zm「あいつの名前、ヒスイっちゅうんか。」

またいつかと言わず、明日にでも会いに行きたいなぁ。

tn「明日は書類をやってもらうぞ、ゾム。」

zm「嫌やねん!何でやらんとあかんのや!」

tn「ヒスイに会いに行けんぞ。」

zm「それも嫌やな・・・」

tn「ならやるぞ。」

zm「嫌や〜!!」

次の日、我々国にゾムの声が響いたとか響いてないとか・・・・・・


※Damse inl Distress(ダムゼル・イン・ディストレス)とは、苦難の乙女、囚われの姫などの危機に陥る女性という意味。

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