8話

3か月後・・・・・・

〜冒険者ギルド〜

ren「アリアさーん!帰ってきましたよ!」

ar「おかえりなさいませ、ヒスイ様。ギルドマスターがお呼びです。」

ren「はーい。」

ガラムさん、僕に何の用だろう?

ガチャ。

gm「・・・・・・・・・・・・」

扉開けたら怖い顔したガラムさんが居た。なんか、いけないことしたかな?

ar「ギルドマスター。ヒスイ様をお連れしましたよ。」

ren「ガラムさーん。顔、怖くってよ。」

gm「おーま―えー!!俺はお前に良い依頼を紹介するって言ったよな!?どうして3ヶ月も帰ってこなかったんだよ!?てか、どこ居たんだよ!?」

ren「魔の森に居ました。能力制御学んでました。」

gm「バカ野郎!死にたがりやか、お前は!」

ren「ちゃいますよ!?」

gm「まあいい。帰ってきたならこれを受けてもらうぞ。」

ガラムさんが見せてきたのは国旗が書かれた依頼書だった

ren「なんですかこれ?」

gm「王族からの依頼書。極秘任務だよ。」

ren「なぜ故僕に?S級冒険者がいるじゃないですか。」

gm「お前じゃなきゃだめなんだよ。あいつら・・・我々だはおえらいさんたちが集まったパーティーだからな。やらせるわけにはいかねえんだ。」

ren「あー・・・そういうことですか。難しいですね、ギルドも。」

gm「だから、引き受けてくれるか?」

ren「受けますよ。受けなきゃ帰れなさそうなので。」

gm「ありがとな。で、依頼の内容はだな・・・」



巫女を殺めようとした魔王グルッペン・フューラー及び、


その配下11名を殺害すること。これは王族命令である。


ここに記されていることは他言無用にすること。



                     神聖国国王 ミカエラ・アブソル5世


ren「まさか・・・魔族の国に行けと!?」

gm「そうだ。言わば、死んでこい。みたいなものだ。」

ren「はぁぁぁぁ。魔法を打ち消すのでも精一杯だったってのに、何言ってんだか・・・・・・」

gm「会ったことがあるのか、魔王に!?」

ren「えぇ、ありますよ。あの時は見逃してもらえましたが、今回はそうも行きそうにないですね・・・まあ、でもやるんで。帰ってこなければ死亡扱いでいいですよ。」

gm「すまんな。」

ren「でもちょっとやっぱり・・・怖いなぁ・・・・・・」

ポロポロ。

なんでだろう。涙が溢れてきちゃった。そうだよね。死にたくないよね。まだ生きていたいもんね。でも、僕がやらないと。

gm「生きて帰ってこいよ。待ってるからな。」

泣きながらそう言ったガラムさん。

ren「分かってますよ。」

涙を流しながら、僕は答えた。

異世界生活93日

 王族からの依頼書を受けた。死ぬかもしれない依頼だ。だから、これ以降記されることがあったら、それは奇跡だと思う。その日は沢山ご馳走を食べて、いい宿でぐっすり眠ることにした。最後の晩餐にならないことを願う。

収入 1フラ

支出 1フラ50ラテ

残金 1ラフテ7フラ40ラテ


朝・・・・・・

ren「ナイフよし、双剣よし、杖よし、マジックバックよし、服装よし。」

鏡を見ながら点検をする。胸当てはせず、服の色もジャンパーが空色、Tシャツ、短パンは黒だ。

ren「後は・・・・・・我が身を変えよ、姿を変えよ。誰にもバレないよう、怪しまれないよう。チェンジ・オブ・ミー。」

自身の姿をほぼ人と変わらない種族、鬼人に変えた。顔も変えておく。万が一、トントンさん達が魔族であった時のため、用心に越したことはない。鬼人の角は使える属性を表す。僕の角の色は青。水属性の魔法が使える。僕自身、鬼人には憧れていたので良しとする。

ren「さあ、行きますか。私をあそこに連れてって。ワープ・ゼアー。」

移動魔法を使って我々国の近くの森に着く。さぁ、こっからだ。

門番「身分証をお見せください。」

ren「僕、人の国の近くの森に家族で住んでいたんですけど、1か月ほど前に人間たちが襲ってきて・・・・・・僕だけ生き残ってしまって。」

門番「それは本当か?」

ren「はい・・・人が好きだからって人間の国に近づきすぎたのかもしれません。」

門番「種族と名前は?」

ren「ヒスイと言います。鬼人です。これが証拠です。」

僕はフードを脱ぎ、額をあらわにした。

門番「確認しました。この球に触れてもらえますか?」

ren「分かりました。」

僕はその球に触れた。が、何も起こらなかった。

門番「犯罪履歴はありませんね。ようこそ、我々国へ。」

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