第15話 幸福な時間
あの後、特に何も起きず、アマギに
アマギ「つまらないわねー」
と弄られながら朝食を取っていた。
アマギ「ところで、アカギはどうするの?」
アカギ「?....どう....する.....って」
わかっていないのか、忘れてしまったのか、アマギがもう一度言う
アマギ「昨日の夕方話したでしょ?貴女と一緒にいたリムルは魔王討伐の旅に言ってしまって、今あの家に住んでいるのは貴女だけなのよ?」
アカギ「.....あ.....そっ......か.....」
リムルとアカギは2人暮らしで、両親はもういない(父は生きているが離婚)、あの家に帰ったとしても女の子1人で暮らせと言うのは酷だろう。
ルクス「意地悪言わないで、此処に住ませればいいのに」
とルクスがつっこむ、昨日のようにルクスの部屋とシェアすれば、どうと言うことはないだろう。
アマギ「勿論、その方法も考えたけど」
うーんと腕を組みながら悩むアマギ、一体何を考えているのだろうか。
アマギ「.......よし!ルクス!貴方、アカギと一緒に住みなさい!」
ルクス「...........は?」
アカギ「...........え?」
アマギの言葉に2人してキョトンとなる
え.........どうゆう事?
アマギ「つまりは同居よ同居よ、私の家でもいいけどそうなるとあっちの家の掃除がめんどくさそうだし、なら2人でそっちに住めば楽じゃない」
ルクス(成る程、そう言うことか、...........しかし)
ルクス「師匠」
アマギ「何?ルクス」
思い当たる事があるのか、その後の言葉に少し抵抗感がある、しかし、言わなければならない
ルクス「それってさ、師匠が一番まずいんじゃないんですか?」
アカギ「...........」コクコク
ルクスの言葉にアカギも便乗する
アマギ「?...........どうして?何がまずいの?」
その言葉に理解していないのか、アマギは頭の上に❓マークが見える
ルクス「師匠...........自覚持ってないのですか」
アマギ「自覚って何よ」
アカギ「ル........クス.......実際に......教え......る....べき」
そう言って服を掴む、確かにその通りだ
ルクス「だな、師匠、ちょっと俺たちについて来てください」
アマギ「...........わかったわよ」
そう言って渋々ついてくる、そしてついた場所が
アマギ「私の部屋?」
ルクス「そうです、これが証拠です」ガチャ
そう言ってドアを開ける、すると
ゴチャァァァァァァ...........
研究のためと言って、いろんなものが散乱している、中には食べかけや、洗っていないであろうシミのついた下着、周りにはノートやペン、薬品........あと..........
アカギ「..........ヒイッ」ビクッ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
漆黒の翼、這い寄る混沌、ジョ......
兎に角、部屋で1匹見たら30匹はいると言われているあれがわさわさしていた
ルクス「....................」ガチャン
ルクス「....................」
アカギ「....................」ブルブル
最早何も言えない程のヤバさに咄嗟(とっさ)にドアを閉める、アカギもあれ程のヤバいものを見た事がないのか後ろでブルブル震えている。
ルクス「師匠」
アマギ「...........何?」
ルクス「よく住めますね、此処で」
アマギ「...........貴方の言いたいことよくわかったわ」
こうしてアカギは此処に住むことになり、リムルの家は月一で掃除の為に帰る事となった。
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王都~街中にて~
アカギがアマギの家に住むことになって、必要最低限の物を取りに行くためにルクスとアカギは2人でリムルの家に向かっていた
ルクス「アカギ、俺から離れるなよ?」
アカギ「う......うん.....わかっ.........てる」ギュ
アカギはルクスには懐いたが、他の人達とはまだまだ駄目で、街中を歩くだけでも周りの目が怖くて1人で行くのが怖いのだ。
ルクス(それでも、俺に会いたいが為にそれを我慢して来てくれてたんだな)
そう、まだルクスがヤーヴァイ村から来ていた時はアカギは来ることがわかった日は1人でもアマギの家に来ていたのだ、それ程までに彼女は彼のことが好きなのだ。
ルクス(そんな怖い目にはもう合わせない、これからはずっと一緒だ)
そう心に誓い、アカギの手を握り、アカギに微笑む
アカギ「.........!!」パァァァ
それがとても嬉しいのか、先程と打って変わって上機嫌になる
アカギ(ルクスと一緒♪ルクスと一緒♪)
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~リムル宅~
2人は荷物をまとめたら、上級魔法の収納魔法を使った
まだ少ししか入らないが、2人で使えば多少の無理はできる程度の荷物が入った
(ちなみに収納魔法は普通の魔法使いが使おうとすると相当な時間がかかる)
ルクス「...........よし!こんなもんかな?」
アカギ「うん...........ありが......とう」
ルクス「良いんだよ、気にすんな、さてこれからどうする?まだ時間もあるし」
アカギ「ん......だっ......たら......」
そう言うと、アカギはルクスの袖を掴み
アカギ「デート.......しよ?」
ルクス「オグボォ!?」
アカギ「ルクス!?」
いきなり血を吹き出すルクスに驚くアカギ
ルクス「ごめん.....あまりにも可愛くて.....つい」
アカギ「————-///////////」ぽかぽか
顔を真っ赤にして叩く、その仕草もまた可愛くて堪らない
ルクス「ははは......じゃあ、行こっか!」
そう言ってアカギの手を繋ぎ外に出る
ルクス「デート.....するんだろ?」
アカギ「!!......うん!」
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とは言ったものの、やっていることはあまり変わらなかった、元々2人で買い物に行く事も多々あり、その時も大体今とたいして変わらなかった。
変わったとすれば
店員「はい!お待たせしたました"カップル限定"スイーツでーす!」
俺たちが恋人同士になったことぐらいだ、しかしそのお陰で2人で食べたかったカップル限定のスイーツを堪能出来ているわけだが.......
ルクス「んー、美味しい」
アカギ「ルク......ス.....女......の子......みた........い」ふふ
此処はカップル限定と言ってもカップルはあまりおらず、女性がほとんどだ、しかも歳もたいして変わらない所為なのか、ルクスに注目が集まる
ルクス「仕方ないだろ?村じゃあ、甘い物は駄目だ!とかなんとかで此処にこないと食べれなかったんだから」
アカギ「そ.....うだね」
アカギ(周りの人達がルクスの事を見てる.......私が彼女なのに....)プクー
ルクス「?..........どうした?アカギ?」
アカギ「......なん.....でも....ない」ぷい
ルクス(さては周りのせいだなぁ.....よし!)
ルクスは自分のケーキを切り分けてアカギの方に向ける
ルクス「ほら、あーんしろあーん」クイクイ
周りの女性「!?」
アカギ「/////////恥ずか.......しい」
ルクス「..........」ニコニコ
アカギ「.......う~.....いじ....わる」
そう言って頬を赤らめながら食べる
アカギ(間接キス.....しちゃった////)
周り女性「ガーン」(T-T)
ルクス「俺の彼女は、お前だけだよアカギ」
アカギ「......今....の....言葉....ずる....い」
そうやって2人は今の幸せを存分に噛み締めていた
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続く
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