第2話エッ、いきなり詰んだ

 「な、何よ急に叫び出して?変態?変態なのね?」


 「誰が変態じゃあーー!クッ、これでも世間一般的にはエリート社員なんですから変態扱いは止めて下さい。…アッ、ところで突然なんですがお名前お伺いしてもよろしいでしょうか?」


 「…本当に突然ね…リアーナよ。リアーナ=ヴァルハラ。」


 「リアーナさんですか、素敵なお名前ですね。ところでリアーナさん私は日本に帰りたいのですがどうやって帰ればいいかご存知でしょうか?」


 「いや、ニホンなんて聞いた事ないからわからないわ。」


 「…そうですか、それでは他に誰か地理に詳しい方をご存知ではないでしょうか?」


 「知らないわね。そもそも二千年以上生きている私が知らないものを他の誰かが知っている可能性は低いわよ?」


 「…ハ?二千年?誰が?」


 「私に決まっているでしょ?そもそも私はエルフの始祖のエンシェントエルフなんだからそのぐらいは当然でしょ?」


 「…エルフ!?エルフってあの物語とかに出てくるあのエルフですか?」


 「…どの物語かエルフか知らないけれどまあ多分そうよ。」


 「…そんな…エッ、じゃあ薄々感じてはいたけどもしかしてここは地球ですらない?」


 「…チキュウ?何それ?」


 「…ハハ…詰んだわ…」


 「何を言っているかよくわからないけど貴方これからどうするの?」


 「…正直わかりません…ここが何処かもよくわかりませんし、こんなドラゴンがいる世界で生きていけるとも思えませんし…」


 「…ならウチに来なさい。」


 「…いいんですか?今の私には何も返せる物がありませんが…」


 「かまわないわ。それになんとなく貴方といると面白い事がありそうな予感がするの。永く生きていると娯楽に飢えてくるのよ。だから気にしなくていいわよ?」


 「…ありがとうございます…」


(リアーナさんが良い人で一先ず助かったけど…ハァ、この先どうなるのかな?…しかし本当にリアーナさんって二千年以上も生きているのかな?確かに耳は物語に出てくるエルフそのものだし外見も今迄見た事がない正に絶世の美女って感じだなスタイルも…慎ましやかな胸以外は…)


ガシッ


 「…貴方私のドコを見て何を考えたの?」


 「…いえ、わ、私は何もって、イタイ、イタイです。」


 「…教えておいてあげるけど目は口ほどに物を言うのよ?」


 「…な、なるほど。べ、勉強になりました…イタイ、ヤバい、死にます。」


 「…それが遺言でいいのね?」


 「!ち、ちょっ…まっ…ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


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