6-7

「午前中まで灰色の雲が広がっていた東京競馬場。先程天候が晴れに変更となりまして、春の麗らかな日差しが差し込んでまいりました。

東京競馬第十一レース、GⅡ『第29回テレビ東京杯青葉賞』。それでは出走馬十五頭の本場馬入場です。

 前走では四馬身差の圧勝劇を披露。自慢の末脚が今日も炸裂する。

 1枠1番ファストスパイク。鞍上じん 龍馬りょうまとは二回目のコンビです。

 直近三戦は全て惜敗の二着。シルバーコレクターが新馬戦以来の一着を狙う。

 2枠2番コイノキューピッド。幸徳こうとく 晋平しんぺいとともに金メダルを目指します。

 ノーマークの時ほどこの馬は恐い。今日も波乱の立役者となるか。

 2枠3番テキサススタイル。三年ぶりの重賞制覇を狙う早乙女さおとめ すすむの騎乗です。

 このコンビでしか見られない勝ち方がある。今日も大外からの強襲を見せてくれ。

 3枠4番ソコンスフィア。相性抜群の平坂ひらさか 光輝こうきを乗せて走ります。

 生来の奔放さは勝利への本能。さあ、今日も自由気ままな一人旅へ。

 3枠5番イコマエクスプレス。手綱は伊舎堂いしゃどう 直道なおみちに託されました。

 父親は過去のこのレースの優勝馬。父親と同じ舞台から『日本ダービー』制覇へ。

 4枠6番リュウセイブレイブ。鞍上大村おおむら 流星りゅうせい、JRA通算九〇〇勝となるか。

 前走の大胆な勝利はまさに衝撃。最内からの末脚でこの大舞台に挑む。

 4枠7番キタサトジェスター。新馬戦の時から手綱を握る川瀬かわせ 周作しゅうさくとのコンビです。

 中央に現れた名古屋からの刺客。地方所属馬が『日本ダービー』に駒を進めるか。

 5枠8番ファーストノート。東海の剛腕都築つづき 崇洋たかひろが手綱を握ります。

 馬群の間から突き抜ける鋭い末脚が武器。今日も最後方から壁を突き破る。

 5枠9番ユウショウドレイク。こちらは中央の剛腕フィリップ ルノーの騎乗です。

 名前は「7」でも狙うは一着。勝利の女神よ、彼に幸運あれ。

 6枠10番セトナイトセブン。鞍上は穴馬マイスター足立あだち 勝利かつとしが務めます。

 その金色のたてがみはライバルすらも魅了する。華麗なる逃げ馬キラーをご覧あれ。

 6枠11番セイントシノノメ。鞍上勝浦かつうら 伸之のぶゆき、これで『青葉賞』三連覇となるか。

 大型馬とて侮るなかれ。その爆発的な瞬発力で一気に先頭へ躍り出る。

 7枠12番マイトップスピード。夢への挑戦権を只野ただの 遼一りょういちとともに。

 新馬戦から直行して来た期待の一頭。その末脚には名前以上の力強さがある。

 7枠13番ミギカタアガリ。期待の若手風早かざはや 颯也そうやが騎乗します。

 その精神力はまさに『炎のランナー』。向かい風だろうと逃げ切り勝ちを狙う。

 8枠14番ランナオブファイア。心優しき熱血漢矢吹やぶき はるかが鞍上を務めます。

 この馬には馬場状態など関係ない。いつも通りのレースで一着を勝ち取る。

 8枠15番ダイヤンポーカー。ステファノ フェラーリが勝利へと導きます。

 以上の十五頭によって争われます『青葉賞』。発走時間は十五時四十五分です。発走までしばらくお待ちください」

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