第十一話

「先輩っ♡」


 放課後、昇降口を出るとそこには夢芽が立っていた。

 

「どうしたんだ?」

「姉さんは今からカラオケに行くようですよ?」

「うん、一緒に帰れないっていうメッセージが来た」


 そう言うと俺は夢芽の横を過ぎて歩き出す。


 外はザァーザァーと強い雨が降っていた。


 あ、いつのまにか雨が降ったたんだ。

 気づかなかったな。


 家に帰って雨を拭けばいいだけだ、俺は下を向き歩き出す。


 雨に濡れても不思議と寒さを感じない。

 不思議と不快感もないのだ。


 すると、雨が止んだ……。


「先輩っ、折り畳み傘です♡」


 ではなく、夢芽が折り畳み傘をさしてくれたらしい。


 夢芽の方を向くと夢芽は雨に濡れていた。


「いや……夢芽が使うべきだよ。気持ちだけでありがとう」

「で、では、相合い傘なんてどうですかっ♡」

「うん、ありがとう。そうさせてもらうね」


 ブレザーを脱ぎ、多分スクールバックにしまいワイシャツ姿の夢芽の黒下着が見えていた。


 ──あ、ダメだ。


「夢芽、傘は俺が持つよ」

「はい、先輩っ」


 どうしても夢芽の下着に目がいってしまう。

 ダメだとわかっている。

 わかっているのにだ。

 真奈もシてるんだし、もう一回ぐらい夢芽とシてもいいよな?

 なんなら、もう一回どころじゃなくて何百回でも。


 頬がニヤリてしまいそうになるのをなんとか抑える。


 そうだ、練習だよ。

 真奈ばかり上手くなっていたら俺が恥をかくだけだ。

 夢芽でたくさん練習しなきゃ。


「夢芽、今からカラオケ行かない?」

「はい♡。行きます」


 夢芽も俺のことが好きなんだろ?

 なら、俺とできるなら幸せじゃないか。


「その前にコンビニに行っていいかな?」

「はい、大丈夫です♡」


 一箱で足りるかな……。

 念のため三箱ほど買うとしよう。

 妊娠なんてさせたら多分、俺は真奈よりも悪い人間になってしまいそうだからだ。



 カラオケの個室へと着くや否や。


「先輩は何歌うんですか?」


 ブレザーを脱ぎ扉に掛け、外から見えないようにする。


「先輩?」とこちらを振り向く夢芽の首を元を掴み、思いっきり俺に近づけて夢芽の唇に舌を入れた。


 真奈ばかりずるい、自分ばかり快感を得られて。

 俺だって快感が欲しい。

 本当は真奈とがいいけど、真奈が相手をしてくれないから。

 だから、血の繋がる妹で今は勘弁するとするよ。

 夢芽と許してくれているしね。


 何分ほどこうして唾液を交換しているだろうか、五分……いや十分は軽く行ったな。


 そこで、俺は夢芽から顔を離す。


「ゴホゴホ……っ、先……輩っ?」と涎を垂らしながら言う泣き目の夢芽。


 ああ──。


 夢芽を押し倒し、俺は夢芽に跨る。


 ──本当に俺は狂っている。


 すると、夢芽はニコリと微笑み。


「辛かったですよね先輩っ♡。今日は私を自由に使ってもいいですよ、先輩っ♡。姉さんだってたくさんヤってるですもんね、ましてや私たちは裏で付き合ってるんですもん。私は姉さんとは違う、先輩の欲求のままに使っていいんですよ♡」


 ──そうなんだ、そうか。

 ──それなら、言われるがままに使ってやるよ。


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ──ッ!」


 とにかく俺はシた。 

 夢芽が何か言っていたり苦しそうにしていても俺は止まらなかった。

 だって、好きにしていいと言ったのだから。

 言われたままに好きにした。

 もう少し買っておけば良かった、三箱なんてあっという間に終わってしまった。

 自分が恐ろしいと思った、多分今まで蓄積された全てが放出してしまったのだと思う。


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