第三話

 家に帰り、ふと我に帰る。


 やっちまったなあ、俺。


 ベッドにダイブする。


「はあ〜!」と大きなため息を吐いたあと。


 流石に彼女の妹とヤるのはダメだろ。

 真奈も真奈だけど、完全に俺もやばいよな。

 なんなら童貞をあげたわけだし……。


「いやいや、元々言えば真奈が悪いんだから仕方ないよな。それにしても」


 夢芽、めちゃくちゃエロかったなあ。

 

 普段、あまり喋ることはなかったが話しやすかった気もした。


「寝取られたんだよな……これ」


 真奈の知らない姿を知ってしまった以上、明日から真奈にどんな顔をして会えばいいのかわからない。

 夢芽もである、俺と夢芽はもう彼女の妹というそんな軽い関係ではなくなってしまった。


「本当ッ、俺ってみじめなだな……彼女が寝取られたから彼女の妹に手を出すとかよ」


 よくよく考えると今までに何回も真奈は、用事がある、という理由で遊ばない時があった。

 そういうことだ、全部嘘で。

 嘘で、嘘で、嘘で、嘘で。

 本当は俺以外の男とセックスをしていたんだ。

 一体誰と?

 一回、その相手と会ってぶん殴ってやりたい。


 すると、ブーとスマホのバイブレーションがなる。


「ん……?」と手に取ると、夢芽からだった。


『先輩、私たちはもう恋人という仲ですよね♡?』

『うん……』

『嬉しいです♪』


 夢芽がいたからここまでの絶望でおさまっていただろう、もし仮に夢芽がいなかったら……と考えると夢芽に感謝しかない。


『じゃあ、一つ、サービスです♡』


「な……っ!」


 一枚の写真が送られてきた。

 その写真は夢芽が制服姿で、ボタンを外し黒いブラジャーを見せているものだった。


『先輩のオカズに使ってください♡。ご希望でしたら、使用済みの洗濯する前の下着もあげちゃいます♡』


 俺は変態だ。

 だって、写真を反射的に保存してしまったのだか。


『先輩っ? 返事は?』

『その、すまん。ありがとう』


 夢芽も俺のために必死になってやってるんだ、俺もそれに応えるのが正しいし、夢芽も嬉しいだろう。

 戸惑いなんてしない、ありがたく使わせてもらおう。


『いえいえ、先輩のお役に立てて嬉しいです♡』

『ありがとう』

『はい!』


 スマホの電源を切り、俺は目を閉じた。


 今日はもう疲れた。

 色々とありすぎた。

 とりあえずはこれからの目標は真奈を取った間男を見つけ出すことだな。

 絶対にぶん殴ってやる。


 そのまま、俺は眠りについた。



 目を覚ましたのは午前五時頃だった。


 早く起きすぎたな。


 無理もない、なんせ寝たのが早かったのだから。


 ぐ〜、とお腹がなる。


 昨日はお昼以降何も食べていなかった、当然である。


「ご飯を食べるとするか……たしか、食パンがまだ残ってたよな」


 スマホを手に取ると、トークアプリの通知が+99となっていた。


「……なんだ?」とトークアプリを開くと、夢芽からとんでもない量のメッセージが来ていた。


『先輩、返事は?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』

『先輩?』


 ずらーっと同じ文が続いている。


 まじか……。


『すまん、寝てた』


 すると、すぐに既読がついた。


『そうなんでね、死んじゃったのかと思いました♡』


 早……。


『ごめんごめん』

『いいえ、大丈夫ですよ』

『ありがとう』


 さてと、ご飯を食べるとしよう。


『光一くん、今日は一緒に登校しましょう』


 早速、朝から真奈と顔を合わせなきゃか。


『うん、わかったよ』


 はあ……仕方がない、しばらくは知らない顔をして生きるとするか。

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