白き境を舞う金烏。

a letter

25. October

 とうとう海へと辿り着く。

 地の果てに来たときの感慨は深く、これまでの旅路の長さを実感せずにはいられない。

 そしてここはまた、新たな地へと繋がる場所でもある。 


 海岸には、人の営みの跡がある。見慣れた、滅びの象徴だ。海風にさらされ白く荒れ果てている。

 この先に望みがあるのか――懐疑せずには居られない。

 

 知っての通り、この場所には橋が架けられている。

 この橋を越えては……引き返すことなどできないだろう。

 それでも我らは、進み続けるしかないのだ。

 希望が本当に残っているのか、箱を開けてみないことには分からないのだから。

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