メイド救出作戦 その①

「さて、来たな」


ミリアルドさんとの集合場所は午後の一時でミリアルドさんは先に付いていた。


「くっそ眠いんですけど」


「仕方ない!準備があるからな」


何時だと思ってるんだ……深夜だぞ。


「さて、とりあえず準備だ」


するとミリアルドさんは床に手を当てた。


「ミリアルドさん、何を……」


「よし……行くぞ〜」


突然、床に魔法陣が現れて景色が変わった。


「『転移魔法』!」


「『転移魔法』?」


「魔法界の最高位に存在する特殊魔法なんだ!それを今……詠唱も無しで……」


「すごいんですか?」


「すごいなんてもんじゃない……こんなの魔法使いが見たら……自信を無くして引退するレベル……」


「ま、それは置いといてようこそ月光騎士団へ」


「ここが……月光騎士団……」


大理石で出来た建物で、月の光が綺麗に反映されている……


「ま、とりあえず中へ入ろうか」




「さて、準備してくる」


ミリアルドさんは奥の部屋へ入っていった。


「それではこちらがロリアンさんとレイジーさんの衣服になります」


可愛らしい女の子がメイド服を渡してきた。


「ありがとう、小さいのに偉いね〜」


「えへへ」


可愛くてつい頭を撫でてしまった。


「ロ、ロリアン!失礼だぞ!」


「え?」


「あら、バレちゃいました♡」


「その方は月光教団最高位神官のリーゼさんだ!」


「えぇ!?」


「あまり表に出ないんですけどよくわかりましたね」


「衣服でわかりました……その服は最高位の神官にしか着用できない特別な衣……」


「ふふ、正解です」


「失礼いたします」


扉から突然美人な黒髪をした女性が……ってか、この人身長高いな……180センチは超えてるんじゃないか?


「どちら様で?」


「リーゼ様のペットになります」


「「ペット!?」」


リーゼさん……もしかしてエグい趣味をお持ちで?


「あら……ならなんで言葉を話してるの?ペット風情が」


ほらやっぱり超ドSだ!


「お前まで乗るな、収集がつかん」


え?


「貴方の方が先にふざけたのよ?」


「ま、さっさと着替えてくれ時間が迫ってる」


「「誰?」」


「ん?俺だよ俺」


オレオレ詐欺か!?


「ミリアルドだよ!」


「「えぇ!?」」


「変身の魔法でな、この方が良いんでな」


「にしても……声色まで完璧……」


「それもそうだ、最高クラスの魔法だからな」


「さ、着替えましょうか、手伝いますよ」


混乱したまま着替えさせられた。




「あらま〜お似合いですよ!記念にどうですか?」


メイド服を着せられ、髪色も魔法で変えられた。


俺は赤に、レイジーさんは金に。


写真を渡された……3枚も。


「「いつの間に……」」


「早速だが行くぞ」







「ほほう……君たちが新しいメイドか……歓迎しよう!」


貴族の面接を受けに来たが……


あっさり歓迎されてしまった。


「メイド長!後は頼むぞ」


「はい、かしこまりました」




そのままメイド長に連れられとある一室に。


「……さて、ここが貴女達の部屋よ」


「結構広い……」


「ええ、ここで働いて居るうちは衣食住は心配無しよ」


「ありがとうございます」


「それでは早速ですが働いていただきますここは幾ら人が居ても足りないので」






「さて……ここの廊下を掃除ですね」


「広いですね」


「慣れますよ?」


お母様も同じこと言ってたな……


「それではこれを」


箒とちりとり……なるほど掃き掃除か。


「それではお願いします」




「ふぅ……掃除って大変だ……ロリアンと母さんには頭が上がらんな」


「そうだな〜」


ミリアルドさんなのに女性の声色なのが違和感しかない……


「……ハズレか」


「「?」」


「独り言だ、気にしないで……ください」


口調が変わったと思ってら貴族が後ろから現れた。


「精が出るな……素晴らしい」


「お褒めに預かり光栄です」


流石ミリアルドさん、完璧な仕事ぶり。


「どうだ儂の部屋で休憩といかんか?」


「ありがとうございます、それではお言葉に甘えて……」


大丈夫か?ミリアルドさん……


ん?去り際にミリアルドさんが何が落としたぞ……


「これは……」


『大丈夫だ、そのまま掃除を続けてくれ』


と書かれた紙が……


「いつの間に書いたんだ……」


「とりあえず続けましょう」


「ああ」





しばらくするとメイド長がやってきた。


「あら、もう一人はどうされたのですか?」


「ご主人様のお部屋で休憩と……」


「……そうですか……かしこまりました」


「こちらへ」


もう一人後ろにメイドさんがいたのか。


ん?レイジーさんが肩をトントンと叩いてきた。


(メイド長の後ろ……あのメイドターゲットだ)


(!)


本当だ!写真と同じ顔!


「……少し休憩といきましょうか」


とある部屋に連れてこられた。


「……あの娘災難ね」


「災難?」


「ええ……ご主人に気に入られてしまったわ」


メイド長の口調が変わった?


「気に入られてしまうと何か……」


「この娘の母親みたいになるわよ」


まさか愛人に……


「それなら大丈夫ですね」


「ええ、あの人なら大丈夫ですね」


「……貴女たち……」


「とりあえず……あの娘が帰ってきたらメンタルケアはしてあげなさい」


「「はい」」


必要ないと思うけど。

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