女(男)は救われる
「お、レイジーさ〜ん!」
「タリス殿!」
「レ、レイジーさん!」
「ああ、無事で良かった…」
レイジーさんは俺を抱きしめ安堵する。
ちなみに体はタリスさんの上着でなんとか隠している。
「ごめんなさい、迷惑を掛けてしまって…」
「気にしないで……貴女が無事ならそれで……」
「いい話ねぇ……」
「おーい、タリス」
「あら、キョウヤ?どうしたのそんなにゲッソリして」
「少し事情聴取でな……」
「ま、あのブタ共はしょっぴかれるから安心しろ」
「ミリアルドさん!?何でここに?」
「少し仕事でな、しかも夜勤の後なのに周りがうるさいから見に行ったら…出会った訳だ」
「助かりました、ミリアルド様」
「気にするな、それと……
君がロリアンさん……いや君のほうが正しいか?」
「あ、好きな方で」
「なら、さんで……さて、怪我はないか?」
「いえ……ありません」
「……」
ミリアルドさんは俺に近づいて耳打ちする。
「あー、そのなんだ、『膜』は大丈夫か?治せるが……」
「だ、大丈夫です!」
何てことを聞いてくるんだ!?この人!?
「そうか!元気そうだな!」
「ミリアルドさん?は何者なんですか?」
「お、そういえば名乗ってなかったな俺は『ミリアルド・オーグ』
『月光教団 初期メンツ』で
『月光騎士団 団長』だ」
「月光教団?月光騎士団?」
「あー、月光教団は今……いやこの国の国教なんだ、主に人を癒やしたり、悩みを聞いたりする」
「ふむふむ」
「そんで、その教団を守ったり民を守るのが『月光騎士団』だ」
「ほうほう」
「ちなみに同性婚をして子どもが欲しかったら言えよ?『生やして』やるから」
「お願いします」
「ロリアンさん?生やすってなにを?」
「お前が潰したやつだよ」
「っ!?///」
「セクハラですよミリアルドさん」
「悪気はなかったんだ」
「え、ミリアルドさんに相談したら良いですか?」
「ロリアンさん!?」
「おう!大体暇だから本部に来てくれれば生やしてやるぞ」
「お願いします、というか何で俺が元男ってわかったんですか?」
「
「なるほど」
「ま、そういうことだ」
「あと、1つ」
「おう」
「何でお、私とレイジーさんが端から結婚する体で話が進んでるんですか?」
「え、違うのか?」
「まだ付き合ってもいないんですけど!?」
「まじか!レイジーは『私の女』とか言ってたが…」
「ちょっ!ミリアルド様!!///」
「そういえば、言ってたな、しかも
マジギレで」
「キョウヤまで!!///」
おいおい見たかった……
「見たかった……って思っだろ?」
「あ、はい」
「ふふふ、そう思って……」
ミリアルドさんはゴソゴソとポケットから水晶を取り出す。
「ほい、『投影水晶』」
「まさか!」
「『再生』」
『私の女がなんだって?』
かっけぇ!
「っ!?!?!?//////」
「……恥ずかしすぎて死ぬ……」
「かっこよかったですよレイジーさん」
レイジーさんを抱きしめて背中をサスサスする……っていうか何やってんだ俺
「さて……もうそろそろ完全に夜が明ける、話は『午後の一時』でしよう」
「えーっと、午前なのに『午後の一時』でやります?」
「良いだろ別に」
「あ!レイジー!」
「母さん!!父さん!!」
「ああ、レイジーにロリアンさんも
無事で……」
「あ、忘れてた、ほい」
ミリアルドさんから着ていた服を渡される。
「あ、ありがとうございます」
「ロリアンさん、もう大丈夫です」
「あ、はい」
レイジーさんを離す。
「さて……とりあえず行くか」
午後の一時
全員は午後の一時でこれからのことを話し合っていた。
「さて……まずあの貴族の目的は
ロリアンさんが端から狙いだそうだ」
「ゲスいな」
「そうだな、まぁ貴族全員があんな奴らでは無いことをロリアンさんには覚えておいてほしい」
「はい」
「それに、キョウヤも貴族だしな」
「え!?そうなんですか!?」
「まぁ、一応……」
「それはそうと、このままだと
ロリアンさんは狙われ続ける」
「そうですね……もうあんな思いは御免です」
「そこで!俺から1つ提案がある!」
「はい」
「これに関してはレイジーとロリアンさんの了承を得なければならない」
「「はい」」
「言うぞ?」
「「はい」」
「2人を結婚させる」
『……』
「正確にはレイジーの家の人間になると言った方が正しいな」
『結婚させる?』
「そう、だから2人の了承……いや両親もいるな……」
「「私達は大賛成です」」
「両親は乗り気のようだな」
「あの……私は構いませんが……ロリアンさんは……」
「…言いましたよね?『惚れるまで』と」
「っ!」
「レイジーさん、俺……いや私を惚れさせてください」
「おお〜!凄えな元男とは思えない発言だぞ」
「うっ///」(恥ずかしい!)
「あ、そういえば話変わるんですけどミリアルドさん、
ロリアンさんには能力はあるんですか?」
能力……一言で説明すると、特殊能力である。
例を上げれば、火を生み出すなど。
「そうだな……ふ〜む」
ミリアルドはロリアンをじっと見つめる。
「……っ……くっ……くくく……」
「な、なんですか!?」
急にミリアルドが笑いを堪え始めた。
「それで、ミリアルド様ロリアンさんのスキルは……?」
「……っ『
『はぁ!?』
『淫魔』……本来魔物であるサキュバスが稀に保持するスキル
……効果としては
対象者を誘惑したり淫夢を見せたりする能力らしい。
「ロ、ロリアンさんが……サキュバス」
「いや!レイジーさん!?違うから!人間だから!」
「それに……転生の影響か、少し性格も女性寄りになってるな……」
「え!?」
「まぁ、なんだ……レイジー頑張れよ」
「はい……」
「あ、そうそうロリアンさんには特別な物をプレゼント」
ミリアルドはロリアンの近くに寄り。
「これを……」
小瓶を渡す、小瓶の中には紫色の水が入っていた。
「これは?」
ミリアルドはロリアンに耳打ちする。
「『えくすかりばー』……『生やす』薬だ……飲み水に1滴入れるだけでOK」
「……ありがとうございます」
ロリアンとミリアルドは強い握手をする。
「大事に使えよ!」
「はい!」
「何ですか?これ?」
「ナイショ」
「?」
「あと、レイジーには話がある、来てくれ」
「はい、ミリアルド様」
店の外 レイジー
「さて……君に少し話をしておこうと思ってな」
「はい」
何の話だろう……
「とりあえず今の君にはロリアンさんを落とせはしない」
「……」
「そこでだ、今夜思い切って……こいつを飲ませてみろ」
「こ、これは……?」
何だこの小瓶は……
「『惚れ薬』だ、だがこれは
かなり強力な品だ、分量を間違えるなよ」
「は、はい」
「飲み水に1滴だ」
「はい」
「それじゃあ頑張れよ」
店内へ
「さて、じゃあ俺は帰るとする」
「ありがとうございましたミリアルド様!」
「本当に娘たちがお世話になりました!」
「ま、結婚式は
『ありがとうございました!』
ミリアルドは帰っていった。
「さて、私たちも帰りましょうか」
「ありがとうございました、キョウヤさん」
「いえいえ、お気をつけて」
レイジーたちも帰っていった。
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