女たちは結ばれる。
レイジー宅
「……(心臓が破裂する!!)」
その理由は……十二時間前に遡る。
「ロリアンさん、今夜私の部屋に来てほしい」
「え、あ、は、はいわかりました」
「(言ってしまった〜!!)」
そして今に至る。
「お、おじゃましま~す
(凄え緊張する……何でだ)」
「ここに座って……」
レイジーはベッドの隣に座らせる。
「はい……」
「ロリアンさん、の、喉乾いてないか?」
「え!?え、まぁ……」
「こ、これでも飲んでくれ……ただの水道水だが……」
「あ、ありがとうございます」
ロリアンは水(惚れ薬入り)を飲み干す。
「……ありがとうございます」
「そ、そうか、体は大丈夫か?」
「え、大丈夫です特に異常はありません……」
「そうか(即効性は無いのか?)」
「レイジーさん、何で私を部屋に?」
「そ、それは……」
「?」
「(どうしよう……惚れ薬を飲ませる為だなんて死んでも言えない……)」
『今の君ではロリアンさんは落とせない』
瞬間レイジーの脳内にミリアルドの言った言葉が流れる。
(そうか……あれは惚れ薬を使えじゃなくて……私に『攻めろ』と言いたかったのか……)
「……レイジーさん?どうかしました?」
「……ロリアンさん、君をここに呼んだ理由は」
「理由は?」
「君を、私のものにするためだ」
「レイジーさん……」
「もう捨てた」
「何をですか?」
「『草を食べる』のは」
「?」
「もう飽きた」
「え?」
「私は今から……」
「わっ!?」
レイジーはロリアンをベッドに押し倒した。
「『肉を食らう獣』になる」
「っ!」
レイジーは草食を捨て、肉食へと成った。
「君を落とす、落とすまで……噛みつく」
「レ、レイジーさん!(なんだ……この感じは!…恐怖?)」
「私はロリアンさんの髪が好きだ……
私はロリアンさんの声が好きだ……
私はロリアンの……」
「レ、レイジーさん!!(まずい!何かのスイッチが入ってる!!)」
レイジーはロリアンの耳元に唇を近づけ……
「『すべてが……好きだ』」
「っ!?」ゾクゾク
「私は今まで堪えていた、壊してしまいそうだったから……」
次はロリアンの首筋を撫で……
「だけど……今は……」
次第に首筋から顎へ……
「君を……」
そして唇に……
「『壊したい』」
「っ!///」ゾクゾク
数分前 月光教団 ミリアルド
「はぁ……疲れた」
俺は温かいタオルを目にかけ目の疲労を回復させていた。
「お疲れねミリアルド」
彼女はリーゼ、見た目は少女だが
れっきとした『月光教団 最高位神官』であり月光教会の教祖でもある。
「まぁな」
「ふふ、でも良いことあったでしょ?そんな顔してる」
リーゼは俺の膝の上に乗る、そんな
リーゼに口付けを交わす。
そうリーゼは俺の『女』だ、ロリコンではないぞ?実年齢は300歳は超えてる。
「俺たちに似た奴の世話をしてきた」
「へぇ〜、ってことは片方は草食系な子ね?」
「そうだ、自信のなかった頃の俺と
そっくりだ」
「でも吹っ切れて肉食系になったじゃない」
「そうだな、それにあいつらなら上手くやれる」
「そう、あなたがそう思うならそうなのかもね」
俺はリーゼを抱きしめてもう一度口付けを交わす。
今夜は満月だ、レイジーは獣へと成ってるのかもな……
もしかしたらあの『惚れ薬』と見せかけた喉薬を飲ませたのかもしれない……
まぁどうでもいいか、結局あいつの
能力の『野獣』が猛威を振るってるはずだ……
本来の性能とは違うが……まぁいいか。
レイジー宅
「レイジーさん……」
「ロリアンさん……効いてきたかい?」
「……何がですか?」
「あれ?(おかしいな……)」
「?」
「まぁ……いいか、さて……」
「?」
「君を本格的に私のものにする」
「え……」
「覚悟はしてほしい……」
「えぇー!!?」
「んむぅ……ちゅ……ん…」
「むぅう!?(レイジーさん!?)」
ロリアンは唇を奪われた…!
「ぷぁ……」
「ふ、ふぇ〜……///」
ロリアンはダウン寸前だった……
「……甘かった……」
「れ、れいじーさん?///」
「君のファーストキスを食べさせて貰ったよ」
「はぅっ……///」
ロリアンの怯えきった姿を見て
レイジーの理性がプツンと音を立ててはち切れた。
「……今夜は寝かさない」
「ちょっ……まっ!///」
「うるさい口には……んっ……」
「んむぅ!?///」
獣は淫魔を食らい尽くした。
翌日……
「んぅ……」
「……」
レイジーは隣で静かに寝息をたてる
ロリアンをひと目見て……心に一言。
(やってしまったぁー!!!)
幸いにも一線を超える前に理性が戻ってきて何とかなった。
(まずい……ロリアンにどう言おう……)
「んぅ?……おはようレイジーさん……」
「お、おはよう」
「ん〜!…昨日はびっくりした」
「私もだ……まさかあそこまで吹っ切れるとは……」
「でも」
ロリアンはレイジーの右腕にしがみつき。
「見事に落とされちゃった♪」
「っ!ということは……」
「はい!結婚しましょう!」
「っ!ああ!」
リビング…
「……ってことがありまして」
ロリアンはレイジーの父と母に昨晩の出来事を伝え、結婚報告をした。
「そうか、そうか……レイジー」
「父さん」
「流石だな」
「ええ、まさかレイジーにそんな一面があるとは思ってなかったわ♪」
「ありがとうロリアンさん」
「え?」
「娘を選んでくれて、そしてようこそうちへ」
月光教団
「ロリアンさん
あなたは今レイジーさんを夫とし
神の導きによって夫婦になろうとしています
病めるときも
喜びのときも
悲しみのときも
富めるときも
貧しいときも
これを愛し 敬い 慰め遣え
共に助け合い その命ある限り
真心を尽くすことを誓いますか?」
リーゼが誓いの言葉を告げる。
「はい、誓います」
ウェディングドレス姿のロリアンが言った。
「レイジーさん、同じように
真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい、誓います」
同じくウェディングドレス姿のレイジーも言った。
「ふふ……それでは新たな夫婦に祝福の拍手を!」
異例の両者ウェディングドレス姿の
花嫁たちは暖かな拍手と共に扉へ向かい、いや未来へ向かって歩み始めた……
『おめでとうございます!!』
扉を開けると、キョウヤにタリス、
ミリアルド、ミラー、ココール、それとレイジーの職場仲間たちが迎えてくれた。
「ロリアンさん、私は幸せ者です、
こんなに大勢な人に祝われ、そして
ここにあなたがいることに……」
「私も同じですよ、レイジーさんに会えて良かった、これからもずっと一緒ですよ?」
「勿論、ロリアン」
「ありがとう、レイジー」
「うぉぉぉぉ!っレイジーとロリアンさんの花嫁衣装が……花嫁衣装が……母さん!」
レイジーの父は大号泣だ。
「ええ、ええ、私も同じ気持ちですよ」
母も同じく大号泣。
「ロリアン、ブーケを」
「ええ」
「「えい!」」
2人は協力してブーケトスをした。
「おーい、写真取るぞ!」
ミリアルドがカメラを持ってきた。
「ミリアルド様、ありがとうございます」
「良いってことよ!リーゼ!お前も入れ!」
「はーい!」
全員で写真を撮った。
全員笑顔で、幸せそうに写っていた。
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