女(男)誘拐される
俺がレイジーさんの家に住み始めて
3ヶ月が経過した。
「ふんふんふ〜ん」
俺は朝から機嫌よく洗濯物を干していた。
「ありがとうねロリアンさん」
「いえいえ〜」
「今日はご機嫌ね」
「そうですかね?」
「それに、今日はレイジーの誕生日よ?」
「え!そんなんですか!?」
「そうよ」
「……なるほど、わかりました今日は
ご馳走ですね!」
誕生日といえばのブツも作らねば……
「あら、なら手伝うわね!」
「ありがとうございます!」
3時間後
誕生日といえば、勿論ケーキである。
「う〜ん、何にしようか……」
幸いにも俺は向こう(前世)でよく
料理はしていた、趣味だったからな。
「……そういえばレイジーさんの好きな食べ物って何だ?」
いつも美味しいと言ってくれるが、
本当の好物は知らないな……
「あの、レイジーさんの好物は何ですか?」
「そうね……あの子は確か……、
ハンバーグが好きだったわね」
「ハンバーグ……なるほど」
この世界にあるのか……
これなら作ったことが何度かある。
「ソースは何が好きなんですか?」
「デミグラスソースね」
それもあんのかよ!?
「……ま、まぁ作ってみます」
「え、作れるの?」
「はい、一応」
「凄いわね」
そんなに驚くことかな?
1時間経過
「よし……出来た」
魔法の調理器具は便利だな……凄い速さで作れてしまった。
「おお、美味しそうね」
「まだ焼いてませんけどね
さて、次はケーキですね」
「私も手伝うわね♪」
1時間経過
現在19:30
「ただいま〜」
お!帰ってきた。
「お帰りなさいレイジーさん」
「ただいまロリアンさん」
「さ、こちらへ」
「あ、ああ」
「「Happy Birthday レイジー!!」」
「おお!」
「さ、ご馳走ですよ〜」
「ハ、ハンバーグ……!」
まるで子供みたいに目を輝かせてるな。
「どうぞ召し上がれ」
「あ、ああ!」
「ふぅ……満足……」
「さて、デザートですよ〜」
「「こ、これは……」」
ふふふ、見たか!俺の自信作、高さ
1メートルのホールケーキを!
正直作りすぎた……それとお母様がめちゃめちゃスポンジを焼いたせいでもある。
「デケェ……」
「大きいな……」
「ロリアンさんがノリノリで作ってくれたのよ」
お母様もね?
「ロリアンさんが?」
「はい」
「凄いな……」
「さて、食べましょうか!」
深夜……
あの後3人は酒を飲んでぐっすり寝てしまった。
「ふふ、あの嬉しそうな顔を見ると作って良かったな……」
そうしみじみ思いながら食器を洗っていると……
「ん?」
後ろから足音が……
「むぐっ!?」
何だこれ!?ハンカチ!?…何…だ…か…ね…む…………く………
翌朝 レイジー
「ふぅあ〜」
しまった、寝てしまっていた。
「ん?ロリアンさん?」
台所を確認するが、食器が途中まで洗われている……
「おかしい……」
ロリアンさんはこんなに中途半端に残すことは無い……となると。
「母さん!!」
「っ!?何!?」
「今すぐ探索魔法をかけて!」
「ど、どうしたの?そんなに慌てて」
「ロリアンさんが誘拐された可能性が高い!!」
「っ!?『エビデンスサーチ』」
「どう?」
「……お父さんを起こして、確定よ!」
「お父さん!!」
「ん〜……zzz」
この親父!起きやがれ!!
「ぐおっ!?」
しまった蹴り起こすのはやりすぎたか
「何だ?」
「ロリアンさんが拐われた!!」
「何だと!?どこに!?」
「今母さんが探してる!」
「見つけたわ!……場所は貴族領の
廃棄する予定の第2倉庫よ」
「くっ……厄介な場所だな……となると
貴族の野郎どもが……」
「ロリアンさん……今助けに行く!」
「レイジー!待ちなさい!」
私は父さんと母さんの声に振り向かず真っ直ぐに進んだ。
貴族領 前
「ん?レイジーじゃないかどうした慌てて」
キョウヤ!
「ロリアンさんが拐われた!キョウヤ助けてくれ!」
「マジか!!?」
「貴族証明書を貸してくれ!」
キョウヤは以前、剣術大会の露店で
大儲けし、貴族位を獲得した。
だから……ここを通過できるはず……
「わかった!だが俺も行かないと駄目だ!」
「……来てくれるか?」
だが……キョウヤは店の店主だ……こんなことに手を貸せば……
「わかった、行こう」
「っ……
「ちょっと、キョウヤ待ちなさい何処に行くつもり?」
後ろを振り向くと朱い髪と和服が特徴の女性がいた。
「ゲッ、タリス……」
「あら、レイジーさんじゃない久しぶり」
「久しぶり、タリス殿、すまない、
キョウヤを貸してくれ緊急事態なんだ」
「……私も行くわ」
「タリス殿……」
「レイジーさんには借りがあるからね、あと同じ甘党としてね♪」
ああ、持つべきは友だな……
「行くぞ!」
「「ええ!」」
私達3人は貴族領へ踏み入れた。
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